消費者をひそかに「格付け」する、秘密のスコアを調べてみた

2019/11/12

1万6000項目に基づく「採点」

消費者としての私たちには「秘密のスコア」がつけられている。この隠された評価で、電話で何かを頼むときに待たされる時間や、店舗で商品を返品できるかどうか、受けられるサービスの種類が決まる。スコアが低いと後回しにされ、高得点なら特別に優遇される。
こうした評価システムの内情は謎に包まれており、ジャーナリストはそのことを問題視してきた。ニューヨーク・タイムズは2012年に、「一般大衆の目にはほとんど触れないもの」として、このシステムを紹介している。ウォール・ストリート・ジャーナルも2018年に「たいていの人は、そういう仕組みが存在することすら知らない」と評した。
今年4月には、同紙のクリストファー・ミムス記者が「シフト」というスタートアップについての記事を書いている。民泊情報サイト「エアビーアンドビー」や出会い系アプリ「オーケーキューピッド」といった企業向けに、ユーザーの信頼性に関する情報を提供するサービスだ。その独自のスコアリングシステムは1万6000もの要素に基づいている。
「シフトは、あなたが信頼に値する顧客であるかどうかを評価する」と、ミムスは書く。「にもかかわらず、あなたがどう評価されているのかを教えてはくれない」
(Adam McCauley/The New York Times)

400ページに及ぶ「過去の記録」