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The Wall Street Journal

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中国共産党は、中国国民の行動を全て監視するという目的も持って、キャッシュレス化を進めていると考えられますから、支払い系アプリを使用しなければならないように仕向けるのは当然であるとも言えます。使っても使わなくても良いのであれば、全員を監視できるようにはならないからです。
「使わなければならないようにする」ためには、必ずしも強制力だけが効果的ではないでしょう。便利であれば、あるいは特典があれば、皆がそのシステムを使用するようになります。
便利であることが悪いわけではありません。常時行動を監視されるという問題を除いても、中国国内で使用できる支払い系アプリが中国特有なものであって外国人が使用できないことや、ほぼ世界中で使用できるグローバル・スタンダードの支払い系アプリ等が中国国内で使用できないことが大きな問題です。
そうした問題が起きる背景には、中国共産党の「和平演変」に対する恐怖心があると思います。「和平演変」とは、武力を用いるのではなく、反政府的な思想を社会に広めること等によって、中国共産党の権威を貶め共産党統治を覆すことです。外国からの思想の「浸透」を恐れるのです。
中国のネットワークは厳重な検閲システムを有し、インターネットとは基準が異なるネットワークを構築しているとも言えます。中国が独自のネットワークを海外に拡大し、その中では、これまで世界で使用できた支払い系アプリが使用できず、中国系のアプリしか使用できないといったようなことが起これば、経済活動をも分割することになりかねません。
ネットワークの分割は、全ての政策決定の基礎となる情報収集にも悪影響を与えます。日本や欧米諸国が自由に情報を見ることのできないネットワークがユーラシア大陸に広がるかもしれません。
さらに、中国は、様々な分野で「軍民融合」を進めていますが、現在の軍事作戦もネットワークを中心にしています。通信・情報ネットワークは、現在の社会において、経済的にも安全保障的にも極めて重要なものなのです。
中国は、国際海底ケーブルの敷設にも積極的に乗り出しました。ファーウェイの子会社であるファーウェイ・マリーンズが主役の一つでしたが、米国の制裁対象になる可能性が出てくると、ファーウェイはこの子会社を売却しました。米国の制裁を逃れて、海底ケーブルによるネットワークも拡大しようとする中国共産党の意思が見えます。