[北京 8日 ロイター] - 中国外務省は8日、ポンペオ米国務長官の最近の中国共産党への批判について、「極めて危険」で、ポンペオ氏の「邪悪な意思」を示した、とあらためて批判した。

ポンペオ長官は前月30日、中国共産党は「世界制覇」に照準を置いていると主張し、中国政府がもたらす諸課題に米国を含む世界は立ち向かう必要があるとの見解を示した。

ポンペオ氏は、中国の広域経済圏構想「一帯一路」や新疆ウイグル自治区の人権侵害問題などについて発言。それに中国政府はいら立ちを募らせている。

外務省の耿爽報道官は会見で、ポンペオ氏の中国の政治制度に対する批判や、中国を脅威と主張するのは、「イデオロギー的偏見に満ちて」おり、中国は強く反対すると指摘。

「ポンペオ氏は、中国国民と中国共産党の関係に挑発を仕掛けようとして、国民と党を分断し、互いに敵視する感情を生もうとしている」と述べた。さらに、共産党はこれまで常に国民の利益を代表し、守ってきており、国民の強い信頼と忠実な指示を勝ち取っていると述べた。

「中国国民と共産党を分離させようという試みは、中国全国民に対する挑発であり、失敗に終わる運命にある」とし「ポンペオ氏の発言は極めて危険で、米国務長官という立場との深刻な不整合が生じていると指摘しなければならない」と指摘。同氏の発言には、反中国というスタンスをとることにより、政治的威信を強めようとする「邪悪な意思」が見えるとし、正当化されない中国批判をやめるべきと主張した。