【秘話】19歳の大学生が「スパイスカレー」の伝道師になるまで

2019/11/18
今、首都圏を中心に「スパイスカレー」ブームに火がつき始めている。
NTTタウンページデータベースによれば、インド料理店の登録件数は2008年の569店舗から2017年には2162店舗へと10年で4倍に。
また、カレーに関する調査などを行うカレー総合研究所によると、ここ数年の間に全国のスパイスカレー専門店が300店舗以上増えているという。
読者の中にも、インド料理店やスパイスカレーを扱うお店が増えた実感を持つ人は多いのではないだろうか。
そして、こうしたスパイスカレーの領域では、ニッチながら知る人ぞ知る料理研究家が絶大な支持を受けている。
その名も、印度カリー子。弱冠23歳ながら、時間のない主婦や単身者でも簡単に作れるスパイスカレーを考案し、書籍を既に4冊上梓する売れっ子だ。
人気の秘密は時短要素とすぐに覚えられるシンプルな工程のレシピ。
難しいイメージの強かったスパイスカレーも、彼女のレシピに沿って作れば10〜30分と非常に短い時間で出来上がってしまうのだ。
さらに、「自分で作るスパイスカレーの魅力を広めたい」という思いからスパイスセットの製造販売も手掛ける、若手起業家の顔も持つ。
そのスパイスカレーに懸ける情熱の原動力はどこから来ているのか。NewsPicksが直撃した。
印度カリー子(いんど・かりーこ)/香林館 社長
1996年生まれ、宮城県育ち。「スパイスカレーをおうちでもっと手軽に」をモットーに、オリジナルスパイスセットの開発・販売をする他、商品開発マーケティング、コンサルティング、料理教室運営など幅広く活動。現在は東京大学大学院で食品科学の観点から香辛料の研究中。著書に『ひとりぶんのスパイスカレー』(2019年、山と渓谷社)など。

きっかけは「姉のため」

──とにかくお名前が独特ですね。印度さん、とお呼びするのが正しいでしょうか。
えっと、カリー子で大丈夫です。印度さんだなんて呼ばれたら、なんだか13億人の代表のような名前で、恐縮してしまうので(笑)。
──そうさせていただきます(笑)。カリー子さんは、何がきっかけでスパイスカレーを研究し始めたのですか。