(ブルームバーグ): サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコの新規株式公開(IPO)に、複数の中国国有企業が合計50億-100億ドル(約5500億-1兆1000億円)を投資する方向で協議していると、事情に詳しい関係者が明らかにした。サウジは友好的な国からの出資を確保し、世界最大規模のIPOにしたい考えだという。

非公開情報だとして匿名を条件に話した関係者によると、IPOでの株式取得協議には中国政府系のシルクロード基金などが参加しており、中国の他の基金や国有企業も加わる可能性があるという。

習近平国家主席は巨大経済圏構想「一帯一路」のもと、中国の政治的影響力の強化に取り組んでいる。中国はアラムコに投資することでサウジとの関係を強化できるほか、原油価格上昇時に利益を得ることもできる。

関係者によると、中国石油化工集団と政府系ファンド(SWF)の中国投資(CIC)も、ここ数カ月の間にアラムコIPOの投資について協議した。投資はまだ確約に至っておらず、参加企業の陣容やそれぞれの投資額は最終的に中国政府が決めるという。

アラムコはコメントを控えた。シルクロード基金、CIC、中国石油化工集団とその上場子会社、中国石油化工(シノペック)の担当者はいずれもコメント要請に回答していない。中国の国有大企業を監督する国有資産監督管理委員会(国資委)と財務省にもファクスで問い合わせたが、返答は得られなかった。

原題:China Said to Mull at Least $5 Billion Aramco IPO Investment (1)(抜粋)

--取材協力:Alfred Cang、Yuliya Fedorinova.

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