脳のタイムキーパー? ある神経細胞の発見で、脳の情報伝達手法の解明に近づいた
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一定周期で振動する細胞の発見は興味深いが、「神経細胞の発火のどこに情報が載せられているのか」という問題設定は私にはナンセンスにしか思えない。情報の意味がわかってないのかな。
神経細胞による情報符号化には、「発火率表現」モデルと「タイミング表現」モデルがあるとのこと。後者はモールス信号のように、発火パターンによって情報を伝えているだろうとの仮説らしいです。そのためには、コンピュータのCPUのように、クロック信号を発信する何かが必要になるのですが、それを担う神経細胞を発見したという記事です。
機械のアナロジーで人体の機能を捉えるという発想は昔からあり、デカルトがポンプから心臓の機能を類推した記録が残っています。果たして、論理的な仕組みで成り立っているコンピュータは、脳のモデルとして相応しいのでしょうかね。
周期性の出現はある意味、流行りの対称性の破れの一つで、個体化の条件の一つです。この神経細胞が他の神経細胞と相互作用する時点で、すでに振る舞いが情報として機能していると見えるはずです。例えば、遺伝子の塩基配列のコピーや発信者受信者のように、一方の持つパターンを、もう一方が相当するパターンで持ち合わせた段階で伝達が為されたとするなら別ですが。
発火率表現モデルはおそらく、発火量に情報を結びつけるのですが、両方使っててもおかしくないですね。記憶情報ならこっちでしょう。
あと、位置も関係ありそう。それと、創造性は発火作動の隣接性と関係するのでしょう。
以下引用
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通常、脳のガンマ振動は脳全体の電気的活動、つまり「局所電場電位(LFP)」を合計して検知するのだが、今回新たに発見された神経細胞の振動は、局所電場電位(LFP)全体のガンマ振動と一致しないのだ。
インド科学研究所神経科学センターのスープラティム・レイ博士は、今回の発見ではこの整合性についてさらなる調査が必要だと考えている。本当にクロックのような神経細胞なら、時間管理を行っている兆候が局所電場電位(LFP)のリズムにも現れるはずだが、それが見られないとレイは言う。「まるで沈黙した時計のようです」
これに対し、ムーアはこの現象を、ガンマ振動が脳全体の信号ではなく、局所規模で著しくみられる信号である可能性を示す兆候だと考えている。
「ガンマ振動が脳に関係していると考えるのは理にかなっています」と、ムーアは言う。しかし、そのガンマ振動は脳全体の合計信号から計測するのではなく、脳内の小さな各領域を構成する信号として計測してみる必要があるのかもしれない。