[東京 5日 ロイター] - 富士フイルムホールディングス<4901.T>は5日、米ゼロックス<XRX.N>との合弁を解消すると発表した。米事務機器大手ゼロックスから富士ゼロックスの株式25%を取得し、完全子会社化する。

合弁解消後も、富士ゼロックスは米ゼロックスへの製品供給を継続する。さらに、米ゼロックスが担ってきた米欧市場を含め世界で他社へのOEM(相手先ブランドによる生産)供給が可能になる新たな契約も締結した。

古森重隆会長・最高経営責任者(CEO)は「富士ゼロックスは非常に伸ばすことができる」と述べた。同社はドキュメント事業の売上高について、2024年度に18年度比1.3倍の1兆3000億円を目指すとした。営業利益は同様に500億円以上増加させる考え。当期利益は200億円以上増加するとした。投資判断が機動的になり、商品開発がタイムリーになると、会見した助野健児社長・最高執行責任者(COO)が合弁解消のメリットを指摘した。

富士フイルムは11月上旬に富士ゼロックス株式を取得する予定。株式と関連持分を合わせ、取得総額は23億ドル(2530億円)。支払いは手元資金や外部からの調達資金でまかなう。合意の一環として、富士フイルムは米ゼロックスとの経営統合を巡り、2018年6月に提起した損賠賠償請求を取り下げる。古森会長は今後、米ゼロックスとの統合については「考えない」と述べた。

富士ゼロックスと米ゼロックスは、経営統合することで2018年1月に合意したが、その後に米ゼロックスが統合を撤回したことを受け、富士フイルムは18年6月に対し訴訟を提起していた。

*内容を追加しました。

(平田紀之 編集:佐々木美和)