(ブルームバーグ): オリックスは5日、米不動産ローン会社ハント・リアル・エステート・キャピタル(HREC、本社ニューヨーク)を買収すると正式に発表した。同社は2010年以降、米国で不動産ローン2社を買収済みで、規模拡大と効率化による収益力強化を狙う。

複数の関係者が匿名を条件に語ったところによると、HRECの親会社ハント・カンパニーズから100%の株式譲渡を受ける予定。規制当局の承認を前提に12月中旬までの払い込み完了を見込む。

HRECは米政府支援機関のファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)、政府機関の米連邦住宅局(FHA)のそれぞれの保証が付いた証券化プログラムを利用できる指定金融機関。集合住宅の開発業者向けに融資を提供し、その債権の一部をファニーメイなどに譲渡した上でローン担保証券(RMBS)を組成し、管理・回収を請け負う事業モデルを展開している。

オリックスは不動産価格の上昇や人口増を背景に、米国内で集合住宅を含む賃貸市場の成長が続くとみて、不動産ローン事業の強化を進めている。10年にはレッド・キャピタル・グループを、17年にはランカスターポラードを相次いで買収した。両社ともにFHAなどの指定金融機関だが、フレディマックの指定は持っていなかった。

米抵当銀行協会の調査によると、HRECが得意とする集合住宅向け新規融資は、18年には3392億ドル(約37兆円)と過去最高を記録。リーマン危機後の09年(525億ドル)と比べて6倍超に拡大している。

(オリックスの正式発表を受けて記事を更新します)

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