血液クレンジング騒動で見えた広告規制の限界
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注目のコメント
広告規制のアプローチも重要と思いますが、騒動を通して見なくても、そもそも限界があるものと考えます。
以下は、医師の職業倫理指針の抜粋です。本件は本指針や医の倫理から大きく逸脱するものです。
「医師は医療従事者であるとともに、経験と実証の双方を見据えた科学者でなければならない。しかし、医療の進歩は未知の領域に挑戦するなかで得られるものでもあり、先端的・実験的医療と詐欺的ないわゆる「えせ医療」との区別は往々にして難しい。また、臨床の実地では、現在の科学の枠組みでは必ずしも説明ができないような伝統医学や代替医療などの医療の意義も否定しえない。しかし、原則として医師は科学的根拠をもった医療を提供すべきであり、科学的根拠に乏しい医療を行うことには慎重でなければならないし、たとえ行う場合でも根拠が不十分であることを患者に十分に説明し、同意を得たうえで実施すべきである。いやしくも、それが営利を目的とするものであってはならない。」
広告規制のみでなく、そもそも医の倫理を逸脱した医療行為とも呼べない行為は規制されるべきだと思います。
また、本件を通したエビデンスの議論については、有効性の根拠が示されていないことに囚われた議論とせず、安全性、合併症の危険性について同時に議論されるべきと思います。
医療の提供は、常に有効性と安全性の天秤の中で行われます。仮にどんなに有効でも、合併症の危険性がそれを上回れば提供されるべきではありません。提供の前には、必ず有効性と危険性の両面が「科学」的にきちんと説明され、天秤にかけられなければなりません。私の本件への懸念は、有効性がどうか以上に、安全性の問題にあります。そこには少なくとも、根拠があるべきです。
騒動の発端を取り上げた以前の記事とそのコメントも併せてご参照ください。
https://newspicks.com/news/4313740/徐々に規制が厳しくなっているものの、未だ実体に追いつかないガイドライン。
「すごくいい病院だった」など患者の口コミについては、Webサイトなどオウンドメディアには掲載できなくなりましたが、SNSへの投稿や外部サイトへ貼るバナーの原稿などへの規制は未発達です。