【中満泉】世界中から尊敬される「緒方貞子」の本質

2019/11/3
日本で最もノーベル平和賞に近いと評された女性──。2019年10月22日、緒方貞子氏が亡くなった。
第8代国連難民高等弁務官(UNHCR)を務めた緒方氏は、自ら防弾チョッキを着ては戦場を回り、難民救済に尽力した。小柄な女性が臆することなく危険な場所に足を運び、悲惨な現状を訴える姿には、世界中が驚き、感銘を受けた。
海外で「サダコ・オガタ」と言えば、強い日本女性の象徴のような存在だ。
第29代内閣総理大臣で、五・一五事件で暗殺された犬養毅を曽祖父に持ち、自身は「満州事変」の研究などで知られる政治学者だった。
NewsPicksでは追悼の意を込めて、緒方氏の功績を振り返る。
現在は国連事務次長・軍縮担当上級代表を務め、かつてUNHCR時代に緒方氏と共に難民支援の最前線で働いた中満泉氏に「緒方貞子」という人物の凄みを聞いた。