[ワシントン 1日 ロイター] - カドロー米国家経済会議(NEC)委員長は1日、トランプ大統領が連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長を繰り返し批判しているものの、政権内で議長解任は討議されていないと述べた。

カドロー委員長はホワイトハウスで記者団に対し、トランプ大統領は「パウエル議長について明確に見解を表明してきたが、パウエル氏の解任は全く討議されていない」と述べた。

その上で、FRBは昨年のような「不要」で、かつ「著しく引き締め的な」政策から転換しているようにみえるとし、「現在は金融政策はかなり望ましい方向に向かっている」と指摘。「フェデラル・ファンド(FF)金利誘導目標は低下し、バランスシートは拡大している。さらにマネタリーベースも拡大し、債券の利回り曲線も上向きに傾いている。これらはプラスの動きで、成長の大きな阻害要因は縮小しつつある」と述べた。

FRBは10月29─30日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で予想通りに25ベーシスポイント(bp)の利下げを決定。今年に入り3回目の利下げを実施したが、今後の緩和休止を示唆。これを受けトランプ氏は10月31日、FRBに利下げ継続を要求するとともに、FRBの政策が米国の競争力を阻害していると批判。「FRBは米国を競争で不利な立場に追い込んでいる。われわれの問題は中国ではなく、FRBだ!」とし、「人々はパウエル議長とFRBに大きな失望を感じている」と批判した。

カドロー委員長はこのほか、ブルームバーグに対し、自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)<FCAU.N>と仏PSA<PEUP.PA>の経営統合について、米政権は注意深く見守っていると述べた。

FCAとPSAは前日、対等合併に向けた作業を進めることで合意したと発表。経営統合が実現すれば世界4位の自動車メーカーが誕生する。