[ロンドン 1日 ロイター] - IHSマークイット/CIPSが発表した10月の英製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.6で9月の48.3から上昇した。再延期された10月31日の欧州連合(EU)離脱期日を前に在庫積み増しが活発化したことが指数を押し上げた。ただ、6カ月にわたる景況悪化からの脱却には至らなかった。

10月のPMIは4月以来の高水準で、ロイターが集計したエコノミスト予想(48.1)を上回ったが、景況拡大と悪化の節目である50には届かなかった。

英国のEU離脱は、来年1月末に3カ月延期された。当初の離脱期日だった3月29日の前も、駆け込み的な資材確保が加速し、PMIは過去最高を記録していた。

10月は、離脱前にEU企業が英企業から部品などの調達を急いだため、輸出受注が2018年12月以来の伸びとなったが、新規事業は低迷が続き、内需の弱さをうかがわせた。

IHSマークイットのディレクター、ロブ・ドブソン氏は、10月末の離脱期日を前に欧州企業も含め、在庫積み増しが活発化したにもかかわらず、生産や新規受注は減少したと指摘。

「離脱が再び延期となり、12月に総選挙が実施される見通しとなり、製造業は年内いっぱい不透明な状況に置かれる」と述べた。