【前田鎌利】自分の字に「味」をプラスする技術

2019/11/3
「手書き」を使って人の心を動かす「ミニマム・プレゼンテーション」を提案する、書家・プレゼンテーションクリエイターの前田鎌利氏。インタビュー最終回では、人の心に訴えかけるような「味わい」を文字で表現する、具体的なメソッドを教わった。

「正方形」にとらわれない

──前回は、「自分の好きな字」を見つける方法を伺いました。そういう字を自分でも書きたいなと思う一方で、慣れ親しんできた自分の字を変えることへの不安もあります。「キャラを作ってそう」と思われるのではないか……と。
前田 別に変えなくてもいいんですよ。自分の中の「文字の引き出し」を少し増やすくらいでいいと思います。
例えば、野原の「野」という文字も、普通にフォントで出てくるのは正方形のマスにきっちり収まるような文字ですよね。それを、片方の背を高くして、片方の背を低くするだけでも、味わいが出ます。