日立・ホンダ 自動車部品4社を合併 国内3位に
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日立は日立オートモーティブを切り離しを望んでいたというのが一般的な理解。グローバルスケールに系列サプライヤーを再編を望むホンダとの利害が一致したというのが背景だ。特に、インバーター、モーター、BMSでのスケール、走る曲る停まるの統合制御。思い切った再編を進め、いろんな形の再編は可能だが、4社合併はかなり大胆な取り組み。未来の布陣を築き上げるという意味でホンダの不退転の覚悟が感じられる。ホンダの決算発表のタイミングが変なので、なにやら胸騒ぎがあったが。。。
内燃機関は少なくとも向こう30年は無くならないので、ちゃんと経営すれば残存者利益を取れる業界。そのやり方だが、各社CASEへの投資がかさんでいるので、イノベーションというよりコストリーダーシップしかない。具体的には、規模を増やし間接部門の重複を減らす事。つまりリストラを敢行しなければいけない。
ドイツも日本も、大企業は簡単に人員整理が出来ない労使習慣。社会全体として、雇用の流動性を上げて再成長に繋げてなければと言う正論は、やっと政府からも聞こえてくるが、20年台前半はどこまで出来るのか?誰も他人事では無いはずなので、この合併も一事例として観察したい日経の報道(発表があったわけではない)、真とすれば大きめの再編。
再編にかかる企業の主要数値をSPEEDAでみると、下記のようになる。いずれも二輪向けが売上で大体1/3ほどを占める(営業利益は二輪の方が高いことが多いので、利益貢献だともっと大きいはず)。
ケーヒン(ホンダ41.33%保有、エンジン部品やその周りの電子制御部品)
時価総額約1400億円、売上約3500億円、営業利益約260億円、株主資本約2000億円
ショーワ(ホンダ33.48%保有、サスやステアリング)
時価総額約1400億円、売上約2900億円、営業利益約300億円、株主資本約1150億円
日信工業(ホンダ35.65%保有、ブレーキ)
時価総額約1200億円、売上約1900億円、営業利益約165億円、株主資本約1400億円
日立オートモティブは売上約1兆円なので、ホンダ系3社合計の8500億円より規模が大きい。ただ「調整業営業利益」(何の調整かは書かれていないが…)は380億円となっていて、ホンダ系3社合計の約700億円を下回る。
日本で3位となっても、グローバルだと20位くらいではないだろうか?詳細な比率は分からないが、日産が財閥的には日立系で、一定日産比率は高いのではないかと思う。その意味で、日系で非トヨタ系部品メーカーの合併、という捉え方もできると思う。一方で、ホンダと日産併せてもトヨタの売上に及ばず、加えて部品メーカーではデンソーはトヨタ向けとトヨタ以外向けがほぼ同じ比率に対して、今回報道されている3社はホンダ向け比率がケーヒン・日信工業とも8割ほど、ショーワは分からないが同様にかなり高いと思う。そういう意味では国内再編にはなってもグローバル自動車部品メーカーへの道としては弱い印象。
https://www.hitachi-automotive.co.jp/vision/vision_01/index.html
なお、ホンダの持分法子会社で今回の合併に含まれないのは、シートのテイ・エステック、プレス部品のエイチワン及びジーテクト、パワートレインの武蔵精密、クラッチのエフ・シー・シー。