[25日 ロイター] - 米銀大手ウェルズ・ファーゴ<WFC.N>はこの数カ月に国内融資事業で人員200人余りを削減した。事業トレンドの変化に対応するため。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

主に同行が強みを持つエネルギー関連会社向けと農家向け融資を行うチームが削減の対象。エネルギー向け融資チームは投資銀行部門に、農業向け融資チームは商業銀行部門にそれぞれ属している。同行の商業銀行業務部門の人員は全米で約6000人。

関係者4人によると、ウェルズ・ファーゴは農家向け融資チームを少なくとも25%縮小した。別の関係者2人は、夏にかけてエネルギー向け融資チームで22人が削減されたと述べた。同行広報担当者によると、7%相当の削減になる。

農業向け融資チームの削減はノースダコタやサウスダコタなどの農業が盛んな地域に集中しているという。新たに設立する集約的な拠点の1つに、専門のバンカーで編成するより小規模なグループを置き、顧客対応にあたる計画。

同行は業務を集約してリスクを減らす取り組みを進めているが、今回の人員削減はエネルギー関連企業と資金繰りに苦しむ農業関係者にとって痛手となる。

米国銀行協会(ABA)によると、ウェルズ・ファーゴは農家向け融資で国内最大手。同行幹部はロイターに対し、農家向け融資事情でのこうした立場を維持する意向を示した。また同行の広報担当者は、カリフォルニア、ワイオミング、アイダホの各州では現在、農家向け融資に携わる人員の採用を行っており、採用後にはチームの縮小率が5%になると語った。

ウェルズ・ファーゴは人員の削減については認めたが、農家向け融資チームの具体的な削減数についての言及は避けた。