(ブルームバーグ): 米ヘッジファンドのサード・ポイントは25日、ソニーが半導体部門のスピンオフ(事業の分離・独立)などの要求を拒否したことに失望したと表明した。また、サングラス「レイバン」のオーナー企業でフランス・イタリア系のエシロールルックスオティカの株式保有を確認した。

アクティビスト(物言う株主)として知られるダニエル・ローブ氏率いるサード・ポイントは7-9月(第3四半期)を総括する投資家向け書簡で、エシロールルックスオティカの株式7億ドル(約760億円)相当を2019年の早い時期に購入したと説明。エシロールルックスオティカにはかなりの成長潜在性を見込んでいるとした。

サード・ポイントは、同ファンドが15億ドル相当のソニー株保有を公表した後の9月にソニーが行った事業総括の結果に、失望したと表明した。ローブ氏はソニーに対し、半導体部門のスピンオフと保険事業の売却、主力のエンターテインメント事業への注力を求めていた。ソニーの吉田憲一郎社長兼最高経営責任者(CEO)は先月、半導体事業は成長への鍵であり、保険事業は同社の企業価値に資するものだとの考えを示した。

サード・ポイントは、「ソニーは総括の結果、事業改善の具体的提案を行わず、現状を維持することに決めたと明らかにした」とした上で、「ソニーほどの規模と複雑性を持った会社が事業とバリュエーション(株価評価)改善に向け、具体策を一つも見いださないとはわれわれにとって考えられないことだ」と指摘した。

ソニーは今回のサード・ポイントの表明について、ブルームバーグの取材に、「今後も株主からの建設的な提案やフィードバックについては真摯(しんし)な検討を実施し、ソニーの長期的な企業価値向上に継続して取り組む」と電子メールで回答した。原題:Loeb’s Third Point Sees $1.1 Billion Upside at EssilorLuxottica(抜粋)

--取材協力:古川有希.

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