[シンガポール/ソウル 22日 ロイター] - 株式アナリストは、アジア製油会社の収益見通しを下方修正した。石油タンカーの運賃と原油プレミアムの上昇が、予想される製油マージンの拡大を相殺しそうだ。

減益が見込まれることから、中国石油化工(シノペック)<0386.HK>、JXTGホールディングス<5020.T>、韓国SKイノベーション<096770.KS>などアジア製油大手の株価が今後数カ月、押し下げられる可能性がある。

中東からアジア向けの原油カーゴのスポット運賃は最近、過去最高値まで高騰している。米国が9月25日に、中国のタンカー運営会社に制裁措置を科したことが背景にある。

また、同月14日にサウジアラビアの石油施設が攻撃され、世界の原油供給の約5%が停止。原油プレミアムも数年ぶり高水準に達している。

一方で、国際海事機関(IMO)による2020年からの低硫黄燃料の使用義務化に伴い、船舶会社はより環境に優しい燃料への切り替えに動く中、ガスオイルや超低硫黄燃料油(VLSFO)の需要増加により、製油マージンの拡大も見込まれている。ただ10─12月期は、コスト上昇でマージン拡大が相殺される公算が大きい。

米シティグループのアナリスト、トビー・シェク氏は、「海上運賃コストの急上昇がシノペックの製油マージンにマイナスの影響をもたらす」と予想。原油の仕入れと燃料の販売には時間差があるため、影響は12月ごろに感じられる可能性があるとの見方を示した。