【橘玲】持たざる者はモテない。私たちが生きる「不都合な現代」

2019/10/23
まるで預言者のように、新しい時代のムーブメントをいち早く紹介する連載「The Prophet」。今回登場するのは、ベストセラー作家の橘玲氏だ。

橘氏の新刊、『上級国民/下級国民』(小学館)では知識社会化で起きている人々の分断の本質を紹介している。

今回は、「上級国民」とされる裕福なリベラル派の正体や格差拡大の背景、広がりつつある「モテ」の格差について解説する。
橘 玲(たちばな・あきら)作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。編集者を経て、2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部のベストセラーに。著書に『人生は攻略できる』(ポプラ社)、『もっと言ってはいけない』(新潮新書)、『臆病者のための株入門』(文春新書)など

全て自己責任の「リベラル共和国」

「日本は(あるいは若者は)右傾化した」と嘆く知識人がたくさんいますが、私はこれに懐疑的です。なぜなら、さまざまな価値観調査を見ると、若者を中心に、世界も日本もますます「リベラル化」しているからです。