急ピッチで進行する、歯科治療の「デジタル革命」

2019/10/22

デンタルテックの最前線

今年4月、ニューヨーク州コートランド・マナー在住のテレサ・グッチャルド‐ペリー(55)は歯のクラウン(かぶせもの)のひび割れに気がついた。歯医者に行くことを考えただけでうんざりした。
グッチャルド-ペリーはこれまでに18回以上、歯根管の治療を受けている。さらにインプラントが5本。前歯以外はすべてクラウンをかぶせている。パテのような物体を載せたトレーを口に入れられて、歯の型を取る処置が大嫌いだ。
「あのネバネバしたやつが、とにかく気持ち悪くて──吐き出したくなる。クラウンは絶対にフィットしない。必ずやり直しに行くのよ」
しかし今回、彼女はニューヨークのホウソーンにあるトウロ歯科衛生クリニックを訪れた。クリニックがあるトウロ・カレッジ歯科医学校では、学生が最先端の技術を学んでいる。
ネバネバする物体を載せた不格好な型枠を口に入れられることもなく、魔法の杖をさっと振るだけで、歯のデジタルスキャンが完了。デジタルに作製されたクラウンは完璧にフィットした。
「感動した──本当に感動したわ」
トウロ歯科衛生クリニックの実習風景(Karsten Moran/The New York Times)

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