【本音】2年で黒字化。美的と組んだ「東芝」は何が変わったのか

2019/10/22
中国企業に買われることは、日本の家電メーカーにとって「幸せ」なのか──。
シャープや東芝など、ここ数年、日本のお家芸である家電事業が中華系の企業に買収される事例が増えている。
白物家電分野で「国産第1号製品」を多数送り出してきた東芝は、2016年6月に中国の白物家電メーカー、美的集団に約536億円で買収された。
当時の東芝は不正会計問題に揺れ、悪化した財務環境の立て直しのためにも、伝統ある白物家電事業を売却せざるを得なかった。
著しいブランド力の低下もあり、誰もが「東芝の家電は終わった」と思ったことだろう。
しかし、それから東芝の白物家電は復活を果たす。美的集団傘下で東芝ライフスタイルとして「再スタート」を切った白物家電事業は、2018年度(2018年1月~12月)決算で黒字化。
買収前の2016年度には60億円以上の赤字だったが、わずか2年で初の黒字転換を果たした。
なぜ、わずか2年で黒字化を達成することができたのか。中国傘下で何が変わったのか。
NewsPicksは、東芝ライフスタイルの小林伸行取締役社長にインタビューを実施。買収されてからの3年間を振り返ってもらった。
小林 伸行(こばやし・のぶゆき)東芝ライフスタイル取締役社長。1962年生まれ。早稲田大学商学部卒業後、東芝に入社。家電機器事業の販売・営業企画、レンジ・調理機器部長、経営企画部長を経て、2016年からは東芝ライフスタイルのエアコン事業部長(執行役員)等を歴任し、現職。

中国傘下での「東芝復活」

──東芝ライフスタイルは美的傘下に入り、2年で黒字化を達成しました。その要因はどこにあったのでしょうか。