【森岡康一】大公開、スタートアップと大企業が組むための「流儀」

2019/10/21
スタートアップに大企業をかけ合わせた「ハイブリッドスタートアップ」というコンセプトをご存知だろうか。
その提唱者である森岡康一氏が、そのノウハウと心構えを惜しみなく語ったNewsPicksアカデミアのイベント「実践・ハイブリッドスタートアップ論」のレポートをお届けする(聞き手:NewsPicks佐々木紀彦)。

大企業と組むメリットは、資金調達、アライアンス、人材確保

森岡 私自身は現在、KDDIの子会社であるSupershipホールディングスの代表取締役をしています。電通も出資している会社で、大企業とうまく組みながら成長しています。
2014年10月に設立され、2015年度の売上高は150億円で、2017年度が274億円。年間の平均成長率は約35%で、赤字は一度も出していません。ただ、これは自分たちの力だけは達成できませんでした。大企業のパワーとスタートアップ企業のスピードを駆使したからこそ 実現できたと考えています。
スタートアップ×大企業であるハイブリッドスタートアップのメリットは、「資金調達」と「アライアンス」、「人材確保」が挙げられます。自分自身、どうすれば企業を最速で成長させられるか考えたとき、このメリットを見つけ出し、フルに活用しようと設立したのがSupershipです。
スタートアップはまず、資金調達に時間がかかってしまうものです。社長であれば事業計画書を用意し、一生懸命にプレゼンすることに翻弄されてしまい、サービスにフォーカスできません。一方、大企業の力を利用できれば、調達額は多く、調達スピードも速く進みます。