G20、リブラ規制で合意 悪用懸念、発行認めず
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注目のコメント
これに先立ち、G7の作業部会がステーブルコインに関するレポートを提出しており、本合意はこの流れに沿ったもの。課題として挙げられている項目は、マネロン対策、データ保護、サイバー攻撃対策、各国の法令遵守等々、一つ一つごもっともです。
受難のリブラですが、通貨と国際決済のあり方について、これだけ大規模な議論に発展させた貢献は極めて大きいと思います。G7レポートでは、決済イノベーションのメリットや、中央銀行によるデジタル通貨の可能性にも触れられています。
こうなると、どこが主体になるにせよ、新たな決済イノベーションが、現在の非効率な国際決済システムに風穴をあけるのは時間の問題では、と思います。リブラを発行すべきではない、ではなくて、発行すべき、としたG20。しかし、深刻なリスクに適切に対処した上で、という前提つき。このハードルは高い。リブラ発行阻止の完全包囲網ができあがった。23日の公聴会の行方が気になります。
声明文および分科会レポートが発布された。これにより当面の方向性が決着した。
https://www.mof.go.jp/international_policy/convention/g20/g20_191018sc.htm
リブラとは一言もどこにも書いていない。グローバルステーブルコイン、と書いてある。つまりは無論リブラが発端だろうものの、今後リブラに限らず同様の取り組みには同じ対処をするという事。
一番重要なのはこの部分の
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我々は、金融技術革新による潜在的な便益を認識しつつも、グローバル・ステーブルコイン及びその他のシステム上大きな影響を与えうる類似の取組が政策及び規制上の一連の深刻なリスクを生じさせることになるということに同意する。そのようなリスクは、特に、マネーロンダリング、不正な金融、消費者・投資家保護に関するものを含め、こうしたプロジェクトのサービス開始前に吟味され、適切に対処される必要がある。
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「システム上大きな影響を与えうる類似の取組」という表現が重要。マネロンや消費者保護対策は言わずもがなだが、「システム」とはいかようにも拡大解釈可能であるゆえ、各国の法定通貨のボラティリティへのいかなる影響、チャレンジも含むと解釈すべきではないか。それが是ならば、いくつかのコメントにある[条件を満たせば発行を認めた]という意味合いとは遠く、むしろ基本ノーに近いように見える。
よって総論、本件をコイン取り組み側から見てどう評価すべきかと言えば、後退、と見える。
ただしG20において国際租税と並んでメインイシューとして取り上げられた事自体が、国際社会における暗号通貨の理解が促進されたと言った意味では一定評価、といったところだろう。