【ドキュメンタリー】今、「移民の国」カナダがすごい
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移民が増えるのは、産業があるのに、人材が足りない国です。日本も、一部産業についてはこれが該当します。動画の中で「人材問題を解決しようとした場合、海外の人材に来てもらうしかないのです」といわれている通りです。カナダは元々人口が少ない国です。マレーシアなども、類似のケースで、労働人口の4分の1が外国人(合法であれ、不法就労であれ、実質的な難民であれ)で占められている国です。
米国は、高等教育を受けた人材については、自国で十分に確保できるようになっています。農畜産業については、中南米からの移民労働者に当面頼らざるをえないでしょうが。
カナダの強みは、米国の代替の移民先になりうることです。言語も文化も米国に非常に近く、米国のトップ大学を出ればカナダに移住することも選択肢たりえます。日本は、米国とは非常に違う国なので、米国のトップ大学を出たけど米国には仕事が無いので、日本へ行こう、とはすんなりとはならないでしょう。カナダは米国ともヨーロッパとも経済の状況が大いに違っており、政治的な排外主義も非常に弱小です。
日本とカナダの政策的な違いは、外国人に労働力を依存しなければならない点では同じでも、誰をどのように入れるのか、を制度的に調整する方法が異なることです。日本は、技能実習制度や留学生増大で、「移民してこない一時在住の労働者」に執着してきましたが、それは幻想です。人が入ってくれば、その一部はどうやっても必ず定住します。カナダ政府は、どうせ定住することを前提にして、勧誘や選別に非常に意識的です。
こちらの2018年のカナダ議会のレポートがよくまとまっています。永住権の申請者の出身国は、インド、フィリピン、中国が大多数を占めています。
https://www.canada.ca/en/immigration-refugees-citizenship/corporate/publications-manuals/annual-report-parliament-immigration-2018/report.html比較対象になるお隣アメリカ在住者としては、カナダの移民政策、特にIT技術者の受け入れ寛容という点は、素晴らしいのではないか、と思いました。
ビデオの中でオンタリオ州元首相のキャスリーン・ウィン女史がおっしゃっているように、カナダの移民への寛容性は今始まってことではありません。私が北米で最初に仕事をした場所はトロント、モントリオールでしたが、トロントは特に20年前の当時から「人種のモザイク」と言われていて、多くの移民がその文化背景を大切にしながら共存する、素晴らしい街でした。例えばギリシアとかベトナムとか、出身地が同じ移民が多く集まる通りの標識には、彼らの言葉を使った標識があるなど、本当に驚いたものです。今回なぜカナダの特集?と周りからいろんな声がありましたが、AIやディープラーニングが時代を揺るがしている今だからこそ、押さえておくべくき国です。
そして、なぜカナダのAIがすごいのか、そこには移民にオープンであるという制度にあります。この問題は世界の政治に大きな影響を与えるでしょう。
実際にトロントの街で道ゆく人は色んな国の方ばかり。大学での授業も楽しそうでした。没頭して研究している移民の方々の表情から、それが伝わってきます。
有能な人材に良い環境を与え、逃がさないということは根本なのかもしれません。