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【核心】最高権威が明かす、「人間にできて、AIにできないこと」

NewsPicks編集部
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    静岡県立大学国際関係学部 准教授

    20世紀は、人間の知能(人間にとって知るというのはどういうことか)についての理解が、革命的に変化した時代でした。主役を果たしたのは数学ですが、哲学と数学の合同(数理哲学)、そこに言語学も参加したことによります。20世紀前半に起きた数学の革新では、フランスのブルバキ集団による抽象代数学や位相空間論、そして集合論が、数学的に画像や言語、空間を飛躍的に容易に表現する方法に道を開きました。ベンジオ氏が述べている、(非)線形変換で、AIに画像や言語、空間を認識させる(そして自動翻訳や監視カメラの動画データのスクリーニング、自動運転に応用する)というやり方は、このブルバキ集団による数学の革新から始まっています。
     20世紀初め、言語学者のソシュールが、人間の言語は恣意的に音と意味を結びつけた以上のものではない、という主張をしました。そして、哲学者のウィトゲンシュタインは、人間が言語で真に示しうることは(それまでの形而上学などは除外されて)非常に限られるということを簡明に整理しました。ベンジオ氏も「科学はソーシャルなもの」と述べておられますが、20世紀前半ヨーロッパの数学、哲学、言語学の交流が、人間の知能を数学的に表現できるものにしました。AIは、その数学的処理に必要な大量の計算を効率的にやる道具です。
     ベンジオ氏は、AIをつくっていくことを通して人間の知能を理解する、というのはどういうことか、わかりやすく説明してくれています。最もシンプルに説明されている箇所は、
    「知能というのは「学び(learning)」の過程で副次的に生まれてくるものであり、シンプルに説明する原理があるはず」
    というところでしょう。知能というのは、人間と同じ「学び」をすればAIにも身につく、という発想でしょう。
     人間と同じ「学び」を機械がするのは決して容易なことではなく、漫然とデータを大量注入すればいいということは全くありません。「抽象化」や「因果関係の理解」まで機械ができるようになるには、人間が生まれた時からどういうふうに学んでいるのか、解き明かす必要があります。ベンジオ氏の、人間は世界についての「高次的な理解」を持っているから、というのは興味深い指摘です。宗教や世界観などの広義の文化が人間の知能形成に果たす役割が重要なポイントになるでしょう。


  • NewsPicks編集部 記者

    カナダ最大の都市トロントから、夜行バスで揺られること6時間。「コンピュータ界のノーベル賞」とも言われるチューリング賞を獲ったベンジオ教授に会いに、モントリオールを訪ねました。

    「知能とは何か」という難題に挑むベンジオ教授は、柔らかい語り口ながら、素朴な疑問にも真摯に答えてくれました。まだ彼らの研究が日の目を見る前、論文が却下されてばかりで苛ついていたときの話や、その後の「手のひら返し」もリアルです。

    著名なAI研究者が続々とGAFAに吸い取られていくなかで、あえて独立を保ち続ける姿勢も印象的でした。ちなみにベンジオ教授には1つ違いの兄弟がおり、彼もAI研究者。Google Brainを率いています。お顔もそっくり。


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    (株)ハピネスプラネット 代表取締役CEO (株)日立製作所 フェロー

    注目され始めると「手のひらを返したように」周りの反応が変わるというのは、よくわかります。私も同様な経験を数回しています。これを経験するのは、新しいことを始める人の宿命のようなものです。
     あえていうと、ベンジオ先生とは一点重要なところで、見解の相違があります。それは、人工知能の研究が目指すことです。先生は知能をもたらすメカニズムを理解したいと言っています。私は、人間の知能を再現しても社会的なインパクトは少ないと思います。
     むしろ、今の人間を超える知をつくること、すなわち宇宙の理解を前進させること、こそがAI研究の目指すところであると思います。
     実は、これは「科学」の目指すことと同じになります。科学は常に、これまでの人類による、宇宙や世界の知的な理解を前進させてきました。
     必然的に、今後、「人工知能」と「科学」の区別はなくなっていくと考えます。既に、そのような兆候は、物理と人工知能の融合が急速に始まっているところに見られます。


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