[シンガポール 18日 ロイター] - 香港のキャセイ・パシフィック航空<0293.HK>は18日、香港市場での「非常に厳しい」状況を受けて通期利益見通しを下方修正した。香港では反政府デモが行われており、同社は年内はデモが続くとの見方を示した。

デモの影響で旅行者が香港への渡航を避ける中、キャセイ航空は9月の旅客数が7.1%減少したと発表。下半期の利益は上半期を下回る可能性が高いと明らかにした。

キャセイ航空が8月に発表した上半期利益は13億4700万香港ドル(1億7175万米ドル)だった。同社は当時、下半期の利益が上半期を上回るとの見通しを示していた。航空会社では、季節要因により下半期の業績が上半期を上回る傾向がある。

18日の利益見通し発表より以前にリフィニティブがまとめた、アナリスト11人による通期利益のコンセンサス予想は32億香港ドルだった。

キャセイ航空株は0624GMT(日本時間午後3時24分)時点で2.16%安で推移。

キャセイ航空の顧客・商業担当責任者ロナルド・ラム氏は発表文書で「年内はインバウンド予約の大幅減少が続くと見込んでいる」と指摘した。

同社の9月のインバウンド旅客は38%減となった。中国本土からの需要が特に打撃を受けた。

9月の旅客数は7.1%減少。減少率は8月の11.3%よりは小幅だった。しかしトランジット客への依存が拡大し、乗客1人に対する1キロメートル当たりの平均運賃を示すイールドが影響を受けているとした。

BOCOMインターナショナルのアナリストは、中国以外の旅客数が今後数カ月に安定する見込みでも、大幅な運賃引き下げが必要になる公算が大きいとの見方を示した。

キャセイ航空は、9月の貨物量は4.4%減少したが、今後は航空貨物の需要が高まる季節に入ることから、改善の兆しが見られると説明した。