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【要点解説】複雑すぎるシリア情勢を、たった3分でアップデート

NewsPicks編集部
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    静岡県立大学国際関係学部 准教授

    9年間続いていて、40万人以上が死亡したシリア内戦において、主役はシリアの人々です。米国やその他の外国は脇役に過ぎません。殺しているのも殺されているのも大多数はシリア人です。(日本人とはまことに縁の遠い)シリアの人々の歴史や社会を理解することなしに、多少ともこの国で起きていることを理解することはできません。生身の当事者に目を向けられないと、陰謀論やよそ事の政治漫談になってしまいます。

     シリアは文明の交差路、古代から通商の要地でした。多くの隊商の経由地として栄えてきましたが、この通商路としての重要性は、大航海時代を経て、近代になってからは失われています。現在では人口の割に資源もなく、大きな輸出産業も無い国となり、紛争の遠因の一つといえます。
     この交通の要所を、様々な軍隊が通り過ぎていきました。アレクサンドロス大王、ローマ軍、イスラーム勢力、十字軍、モンゴル軍、フランス軍、等々です。「シリア」という国は、歴史のほとんどの期間を通して存在しなかったといえます。イスラームのウマイヤ朝や、オスマン帝国などの一部として繁栄を享受してきた地域です。
     1946年になって、一地域を切り取って「シリア共和国」という国ができます。ヨーロッパだとユーゴスラビアがそうであったように、様々な民族と宗教を抱えた国で、初めから爆弾を抱えた人工国家であったともいえます。この国が歴史的に抱えてきた大きな不安要因抜きには現状も説明できません。
     一丸となった「シリア人」など昔も今も存在したことはなかった、というのが実際のところです。アサド政権対反政府勢力、という二項対立にはならず、またたくまに反政府勢力が、自由シリア軍(と呼ばれるバラバラな無数の集団)、アル=カーイダ、イスラーム国、クルド人勢力などに分かれたのは、この国の抱えてきた爆弾に由来することです。
     各勢力を支援する外国として、
    アサド政権へ:イラン、ロシア
    反政府勢力へ:以前は米国、英国、サウディアラビア、今はトルコ
    等がありますが、こういう支援をバラバラに受け入れてしまうのも、元々のシリアがバラバラだからです。

    今回の米国政府の介入によるトルコ政府軍の停戦も、シリアの分断を固定する方に作用する可能性が大きいです。
    https://newspicks.com/news/4310216?ref=index&block=eyecatch


  • 暦オタ・ガジェオタ・ミリオタ・時々謎のPro Picer

    流れを簡単にまとめればこの通りだと思うのですが、今回のアメリカの撤退とトルコの侵攻はとうの昔に予期されたもので、突然事態が激変したものではない、ということに注意が必要だと思います。

    トランプ大統領が米軍の撤退を表明したのは、実際には2018年12月の事です。
    その後2019年3月にIS残党の掃討作戦終了が宣言され、米軍撤退は時間の問題になっていました。
    従って実はアメリカ軍の撤退は、元々の予定通りの行動なのです。

    又今回のトルコのシリア侵攻、平和の泉作戦にしても、2016年のアレッポ県侵攻(ユーフラテスの盾作戦)、2017年のアフリーン県侵攻(オリーブの枝作戦)に続く3回目です。
    これらの作戦はトルコが2015年からずっと提唱しているシリア北部への安全地帯設置の為のもので、その延長線で今回の作戦地域へもいずれ侵攻することも2年前から警告していました。
    逆に余りにも言い続けていたので、専門家の間ではエルドアン大統領は口先番長とみなされていたほどなのです。

    しかしアメリカはそれに対して、トルコに対抗してクルドの支援をするどころが、再三にわたってトルコとの衝突を避ける為ユーフラテス川西岸から撤退するようクルドに勧告していました。
    つまりアメリカとトルコは2年かけて交渉を続けて今回の展開に至ったわけで、時系列で見れば突然でもなんでもないのですね。

    アメリカのトランプ大統領やトルコのエルドアン大統領はその独善的な政治姿勢や粗暴な言説から、思いつきで政治をし、その為に国際社会は翻弄されていると見られがちです。

    しかしそれは全く逆で、彼らは基本的に原理主義者であり、その行動は良くも悪くも首尾一貫しています。
    一方で風を読むのがうまく、打ち手が早い為、一見して機会主義者に見えるだけなのです。

    シリア情勢は予測不可能な方向に激変しているように見えますが、実際には関係当事国のさまざまな思惑に翻弄されつつも、2年前から語られてきたシナリオが着々と進行しているにだけに過ぎないように私には見えます。


  • ノンフィクションライター

    トルコによる進攻で、シリア情勢が急変しています。

    しかし、ただストレートニュースを追っているだけでは、複雑なシリアの現状を把握するのは簡単ではありません。特にシリアは国内だけでも名前の似た武装組織が複数あり、混乱してしまいます。

    そこで今回は、第二次大戦後のシリア独立から要点だけを抽出し、現在の情勢をサクッと理解できるように試みました。少し文字が多いですが、できるだけ最小限に絞って解説したつもりです。

    それにしても歴史を紐解くほど、トルコ、クルド人、そしてシリアの武装勢力それぞれに論理があり、米国はいつもそれをうまく利用する構図なのがわかります。


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