[ソウル 15日 ロイター] - 韓国の現代自動車グループは15日、自動運転車分野の競争力強化に向け、2025年までにモビリティなどの技術に41兆ウォン(346億5000万ドル)を投じる計画であることを明らかにした。

現代自動車グループは9月、米自動車部品・自動運転技術大手アプティブ<APTV.N>と自動運転車を開発する合弁会社を設立すると発表。

今回発表した計画は、自動車各社がしのぎを削る「CASE(Connected=コネクテッド、Autonomous=自動運転、Shared=シェアリング、Electric=電動化)」への対応をにらんだものだ。

現代自グループの取り組みを韓国政府も後押しする。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、現代自動車<005380.KS>の研究開発センターでのイベントで、2030年までに国内を走る新車の半分が自動運転車になるとの見通しを示し「自動運転市場は韓国経済を再活性化し、新たな雇用を創出する有望な市場だ」と述べた。

産業通商資源省の当局者によると、韓国政府は15日、自動運転技術の開発支援へ2021─27年に1兆7000億ウォンを投じる計画で、現代自が2027年までに国内の一般向けに完全自動運転車サービスを開始すると見込んでいる。

政府は、自動車部品やシステム、インフラなどを対象とする資金支援のための実現可能性調査を実施するほか、自動運転車の安全性確保に向け、規制や法律の枠組みを2024年までに整備する方針だ。

成允模(ソン・ユンモ)産業通商資源相は15日のメディア向けブリーフィングで「われわれは、燃料エンジン車から未来車への転換を積極的に進めていく」と述べた。

しかし、専門家のなかには、技術やコスト面の問題などを踏まえ、政府や現代自の目標は現実的ではないとみる向きもいる。

政府は、未来の自動車技術に関する45ページの報告書で、自動運転車でカギとなる人工知能(AI)、センサーなどの分野で韓国が出遅れていると認めた。

サムスン証券のアナリストは「現代自は、ソフトウエア技術が不足しており、他から技術を買わなくてはならない。豊富なキャッシュを持っていても、収益が悪化すれば財務的な負担となる」と述べた。

*内容を追加しました。