【異業種も参入】家電メーカーがIoTエアコンにかける理由

2019/10/14
常時インターネットに接続しているIoT(モノのインターネット)家電が増える中、各社が開発に力を入れる製品の一つが、IoTエアコンだ。
熱い視線を送るのは、家電メーカーだけに限らない。
スリープテック企業や寝具・家具メーカー、さらには複写機メーカーや警備保障企業といった異業種もIoTエアコンへの期待を高めている。
猛暑の寝苦しい夜、快適な温度環境は睡眠の質の向上をもたらす。だが、「快適な温度」は個人差が大きい。こうした理由もあり、利用者ごとの好みを学習するIoTやAI(人工知能)を搭載したエアコンの開発が加速している。
エアコンに注目が集まる理由はそれだけではない。
人の動きなどを察知する「センサー」として見ると、室内を広く見渡せる天井に設置されているエアコンは、センサーとして一等地のポジションにある。
グーグルなどインターネットの世界を制覇したプラットフォーマーがリアルな世界に進出する中、リアルデータを巡るポジション争いという視点でも、エアコンに注目が集まっている。

快眠の切り札に

「エアコンをうまく使えば、多くの人により快適な眠りを提供できる」
こう期待を寄せるのは、スリープテック企業、ニューロスペース(東京都墨田区)の小林孝徳社長だ。同社は睡眠の質を分析する独自のアルゴリズムを持つ。この技術を生かし、シャープが10月25日に発売するエアコンの開発に協力した。