【分析】日本人の美意識は、身体より「顔」に向かう

2019/10/17

日本では今、新生児の数を上回る1日5000人が美容整形を受けている。

NewsPicksが東京都内で100人の女性を対象に行ったインタビューでは「美容整形をしたことがある」と答えたのは全体の1割を占め、肯定的な意見が相次いだ。

人はなぜ美容整形を選ぶのか。その定説は「コンプレックス克服」や「異性へのアピール」というものだ。

しかし、これに異を唱える研究者がいる。文化社会学者で関西大学教授の谷本奈穂氏だ。

氏は日本の美容整形の実態を探るべく、実に16年間にわたって4000人以上へのアンケートや美容整形経験者、医師へのインタビューを重ねて調査を続けている。

それらを通じて見えてきた、人々が美容整形に向かう「真の理由」とは。

美容整形をする「理由」

──今や日本は米国や韓国と並ぶ美容整形大国です。

谷本　世界的なデータを見ても、日本の施術件数が多い部類なのは間違いありません。

コメント

注目のコメント

• 中野 円佳

  ジャーナリスト

  ・2019年10月17日

  この方の調査自体は興味深いものではあると思いますが、社会的背景について全然触れられていない。北欧などでは人の容姿についてとやかく言ってはいけないということが、人の人種や宗教について口を出すなというのと同じレベルで子どものときから学校で教えられている国もあると読んだことがあります。一方で日本や韓国はやはり容姿で評価が決まる感じがすごくあると思う。それは記事にある「同性」間のスクールカーストのようなものや自分の「毎日鏡を見たときの」自己満足度合いに必ずや影響を与えているだろうと思います。整形で自己肯定感が上がるならいいという意見があり、私もミクロレベルではいいことかなと思いますが、そもそもそれ以前に自己肯定感が見た目によって下げられない社会というのをマクロ的には目指さないといけないのでは？もちろんどこの国にもある程度あるとは思いますが、個別で賛成反対とかどこのパーツが大事とか議論してる時点で、特に女性が日々晒されている美へのプレッシャーに皆さんとても無自覚だなと思います。
• 佐野 桃木

  元NP初期 / 経営者コミュニティの組成・取材

  ・2019年10月17日

  日本人女性の二重信仰は、明治時代の文明開化で生まれた
  「西洋の方が良い」という価値観までさかのぼるとのこと。
  現代でも「ハーフ顔になれる！」と謳う媒体は見かける。
  
  「目は口ほどに物を言う」ということわざがあるように
  目は人格や思考、気持ちが反映されやすい部分だとは思う。
  でも、一重でも素敵だし、二重でなければダメと考えたことがない。
  
  世界的な美しさでは、歯も基準の一つ。
  日本人は、歯の健康や白さをもう少しケアしても良いと思う。
• キアラシ ダナ

  NewsPicks 記者

  ・2023年12月14日

  美容整形の件数は日本でも海外でも増加していますが、美意識を反映してか、その内訳は大きく異なっています。
  
  海外では美容整形というと、外科手術を伴うものとそうでない「プチ整形」とが概ね半々ですが、日本は圧倒的にプチ整形の件数が多くなっています。
  そうした意味では日本は「整形大国」というより「プチ整形大国」です。
  
  さらに興味深いことに、メスを使った手術の内訳を見ても「顔」と「身体」の割合は大きく異なります。一体なぜ、こうした変化が生まれているのか。
  データから浮かび上がるニッポンの美容整形の特色を分析します。