Z世代の43%、在宅勤務で孤独感

人材サービス大手ランスタッドUSAと住宅情報サイトのアパートメント・ガイドが行った調査によれば、労働者の大半は柔軟な勤務形態を望んでいる。
一方で、実際に在宅勤務を行っている人の多くが、仕事に集中できないとか勤務時間後も仕事を引きずってしまうといった問題点があることを認めている。
・在宅勤務中に洗濯や掃除、料理といった家事を行っている……57%
・テレビに気を取られることがある……32%
・仕事の電話をペットや子どもに邪魔されたことがある……29%
・仕事とプライベートの線引きがしやすいので、オフィス勤務のほうがいい……44%
在宅勤務なら交通費が多少浮くかもしれないが、そのせいで孤独を味わうこともある。
とくに若い世代ではその傾向が強く、1990年代後半以降に生まれたジェネレーションZでは、43%が在宅勤務で孤独を感じると答えている(全体では26%)。こうした状況は退職、場合によっては燃え尽き症候群を引き起こすリスクの増加につながる。
「部下が在宅勤務を行っている場合、孤独感を撃退するために、マネジャーはチームでの共同作業やミーティングをできるだけ増やす手立てを講じるといい」と、ランスタッド・ノースアメリカの最高人事責任者(CHRO)、ジム・リンクは言う。
以下に挙げるのは、マネジャーが在宅勤務中の部下と上手に関わるための5つの戦略だ。
1. 貢献をつねに認める
在宅勤務中の部下が貢献したことついては、つねにきちんと認めてあげよう。そうすれば彼らは「自分は存在感が薄い」とか「孤立している」とか「正当に評価されていない」といった感覚を持たずにすむはずだ。こうしたマイナス感情は離職率に影響を与える可能性もある。
2. 3カ月に1度は直接顔を合わせる機会を
社員旅行でも、経営陣と従業員が対話するタウンホールミーティングでも、休日のパーティーでもいい。同じ屋根の下に全員が集まる機会を、少なくとも3カ月に1度は作ろう。そうすれば仲間意識やチームの絆が生まれ、士気も高まるというものだ。在宅勤務中の部下の優れた仕事ぶりをみんなに披露するいい機会にもなる。
3. コミュニケーションのルートを明確にする
在宅勤務をしているスタッフが、物理的にオフィスにいないがゆえに蚊帳の外に置かれてしまうことは多い。だがその仕事の目指すところを明確に知りたいと思い、情報へのアクセスを求めているのは、在宅勤務のスタッフもオフィスで働く従来型の従業員も変わりはない。
疑問や懸念が出てくれば、どこに話を持ちかけるべきか、誰と話すべきか、どのように対話や要望を切り出すべきか、正確に知りたいと思うものだ。
4. 毎日、時間を決めて「チェックイン」
お互いに自分の状況を報告する「チェックイン」を毎日、時間を決めて行えば、在宅勤務のスタッフにも自分はチームの重要な一員だとわかってもらえるし、状況が変化するなかでも協力的で責任ある姿勢を維持してもらえるはずだ。
在宅勤務のスタッフはそれぞれ地理的に離れたところから、異なるタイムゾーンで仕事をしていることも少なくない。オフィスで働くスタッフが在宅組の求めに応じて、すぐに対応できる態勢を整えることも大切だ。
5. やりがいのある仕事を割り振る
在宅勤務をしていると、オフィスにいる同僚たちと切り離されてしまったように感じがちだ。さらにまずいのは、特定の作業を割り振られるだけで仕事の過程は見てもらえず、単なる組織の歯車になったような気分に陥ってしまうことだ。
自分は忘れ去られてなどいない、高く評価されていると実感してもらうカギは、彼らに目的を与え、仕事に意味を付与し、キャリアアップにも役立つような、さらなる責任を持たせることだ。
原文はこちら(英語)。
(執筆:Marcel Schwantes/Founder and Chief Human Officer, Leadership From the Core、翻訳:村井裕美、写真:Sushiman/iStock)
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This article was translated and edited by NewsPicks in conjunction with HP.