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農業アイドル自殺「遺族側が会見やネットで事実無根の悪評を拡散した」元所属事務所が反訴

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「反訴」(はんそ)とは,訴えを「起こされた」側が,「いや,むしろ請求したいのはこっちの方や」と考えた場合に,訴えを起こした原告を相手にして,同じ裁判の中で「訴え返す」手続のことをいいます。

原告の訴えと関連性のある案件であることや,訴え返すことが裁判の長期化につながらないこと,などといった要件を満たす必要があります。(こうした要件が問題になるケースはそれほど多くないですが)

記事の末尾に出てくる弁護士職務基本規程70条は,日弁連が定めた弁護士の規律に関する条文の一つで,「弁護士は,他の弁護士との関係において,相互に名誉と信義を重んじる」といった内容が定められています。
この条文との関係で,「弁護士が,十分な理由もないのに相手方の代理人弁護士を訴えること」は違法であると評価されうると考えられています。

では,会社側の代理人弁護士が,アイドル遺族側の代理人弁護士を提訴することはこの規定に反していると言えるのか?

事実関係次第な部分があるので,正直何とも言えません。
ただ,遺族側の代理人弁護士自身が,プレスリリースに関与していたこと,それ以外にも,法廷(裁判)内での主張にとどまらずSNS等でも情報発信していたことなどからすると,弁護士を訴えたこと自体が「ただちにおかしい」とまでは言えない感じもします。

ネットで検索する限り,どちら側の代理人弁護士も個性がおありのようなので,妙な方向に泥沼化してしまわないかが気になります。

自分が理事になっているファンディングのサイト(※)で,裁判に掛かる費用等の名目で300万円を調達しようとするのも,個人的にはかなり強い違和感があります。
※ https://legalfunding.jp/

最後まで手弁当でやれとは申しませんが,プレスリリースをやって,法廷外でも情報発信するくらい自信があるということであれば,第三者から費用を調達しようなんてせずに,訴えが認められた時点で成功報酬プラス実費として適切な範囲の金額を頂戴すべきだと思います。

この件がそうだと断言までは出来ませんが,弁護士は,法廷の外ではサポーターに徹するべきであって,時に防波堤にはなるべきでしょうが,メインプレーヤーであるかのように振る舞うのは感心できません。「自分の主義主張に依頼者を付き合わせる」なんてのはもっての外です。