【議論百出】米大統領選の争点「富裕税」をプラン別に検証

2019/10/12

米政界の「バズワード」

金持ちに課税しよう──これは、民主党大統領候補の選挙集会での、最新流行の合言葉だ。
エリザベス・ウォーレン上院議員とバーニー・サンダース上院議員の選挙運動はいずれも、富裕層への課税が訴えの中心となっている。
9月に大統領候補指名争いから撤退を表明したニューヨークのビル・デ・ブラシオ市長も「金持ちには徹底的に課税すべき」と息巻いていた。
富裕層を対象とした税金は、国民皆保険制度、大学無償化、地球温暖化との戦い、インフラの再建といったリベラルな政策の数々を実現するための資金源になると考えられている。
もちろん、新税制案は激しい抵抗に直面するだろう。議会で共和党が反対するのは確実だから、2020年の選挙で民主党が両院の過半数をとらない限り、法案は成立しない。
とはいえ、政治的にどのような運命をたどるにせよ、これらの提言は、数十年ぶりに大々的に税制を見直そうというムードを象徴するものだと言える。
「富裕層への課税方針は、政権を握っている人物次第という部分があります。国民の支持も、民主党と共和党の間を行ったり来たりしているようです」と、税務政策センターの共同ディレクター、エリック・トーダーは話す。
「しかし、民主党は過去に例を見ないほど積極的になっています」
(SARINYAPINNGAM/iStock/Getty Images Plus)

プラン1:「純資産」に課税