[東京 10日 ロイター] - 安川電機<6506.T>は10日、2020年2月期の連結営業利益予想を前年同期比49.8%減の250億円に下方修正した。米中貿易摩擦の長期化による影響の拡大や半導体関連の投資先送りなどで売上高が減少したほか、操業度悪化などで利益が減少したことを反映する。為替も円高で推移した。

会見した小笠原浩社長は、5月の連休明け以降に米中関係が悪化したと説明。当初は下期に半導体向け投資が持ち直すとみていたが「どんどん先送りされ、2020年にずれ込むと想定」していると述べた。

会社側の営業利益予想は、リフィニティブがまとめたアナリスト22人による予想の平均値368億円を32.1%下回った。売上高予想は同11.5%減の4200億円、当期利益予想は前年同期比53.8%減の190億円に、それぞれ下方修正した。

もっとも小笠原社長は、修正した予想について「これ以上悪化しないだろうとみている」とし、保守的な見通しであることを説明した。

中国市場は、悪化した自動車関連が回復するほか、米中摩擦を受けて設備投資に慎重だった企業で在庫調整が進み、投資の動きが出てくるとの見方を示した。

半導体業界の動向としては「9─10月に、まだらではあるが多少の投資に向けた動きがある」と述べた。

想定為替レートは期初の1ドル110円から同105円に、1ユーロ125円から同120円に見直した。年間配当予想は1株あたり52円で据え置いた。

19年3─8月期の営業損益は前年同期比59.2%減の124億円だった。通期予想に対する進捗率は49.8%。当期損益は同66.3%減の87億円だった。

ACサーボモーターを含むモーションコントロール分野の営業利益は前年同期比51.3%減の109億円だった。スマホ関連需要の低迷や半導体関連投資の先送りや、設備の高度化・自動化の需要が減速したことが響いた。

ロボット分野は同63.7%減の34億円だった。自動車向けは日本で底堅かった一方、米国で伸び悩んだほか、中国で自動化投資が勢いを欠く状況が続いたという。

地域別では、中国・アジアを中心に減収となったが、日韓関係悪化の影響は「今のところない」(小笠原社長)という。

*内容を追加しました。

(平田紀之 編集:田中志保)