[東京 10日 ロイター] - 正午のドルは前日NY市場終盤の水準とほぼ同水準の107円半ば。米中の閣僚級交渉を控えて相次いだ報道に、ドル/円は乱高下。上下70銭超の激しい値動きとなったが、結局、NY市場終盤とほぼ同水準に落ち着いた。市場では引き続き、関連報道に振れやすい展開を想定する声が出ている。

ドルは朝方の薄商いの中、107.03円まで下落。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストが関係筋の話として、7─8日にワシントンで行われた米中次官級通商協議では進展がなかったと報じた。

交渉決裂の可能性を警戒する形で米株先物が時間外取引で下落、円が買われたが、すぐに切り返しへ転じた。

その手掛かりはCNBC記者のツイッター。米政権高官の話として、中国の劉鶴副首相が閣僚級協議を1日で切り上げ、10日にワシントンを発つ計画だとする報道を否定した。

トランプ米政権が米企業に対し、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]への一部製品供給を容認するライセンスを近く発行すると、米紙ニューヨーク・タイムズ報じたこも話題となった。ドルは107.77円まで大きく反発した。

市場では「途中経過に一喜一憂している状態だが、最終的な包括合意が難しいことは確かだろう。最終的には再び円が買われそうだ」(トレーダー)との声が出ていた。