[東京 10日 ロイター] - 内閣府が10日に発表した8月機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は前月比2.4%減となった。2カ月連続の減少。製造業は前月の反動減となったことに加え、非製造業が2カ月連続減少と弱めの推移となった。増税対応や五輪向け建設投資の一巡なども影響したものと思われ、設備投資の動向に懸念が強まっている。

製造業は前月比1.0%減と2カ月ぶりの減少。もっとも7月の同5.4%増に比べると落ち込み幅は小さかった。一般機械が4カ月ぶりの上昇に転じるなど、反動増も下支えした。米中摩擦の影響が懸念される中でも、内閣府が発表している7─9月期は2四半期連続で増加する見通しとなっている。

船舶・電力を除く非製造業は8.0%減少した。前月の15.6%減に続き大幅な減少。情報サービス業や建設業、それに卸・小売業からの受注が反動減となった。

非製造業は4─6月期に13.1%と大幅に増加した後、7─9月期は大型案件の剥落で2桁減となる見通し。内需型産業の設備投資動向が弱まっているのかどうか、懸念材料となりそうだ。

一方、外需は前月比21.3%増で再び持ち直した。これは大型案件として鉄道車両や航空機などの受注が3件入ったため。内閣府は、機械受注の判断を「持ち直しの動きがみられる」で据え置いた。農林中金総研・主席研究員の南武志氏は「製造業では下げ止まりの様相だが、非製造業では激減するなど、設備投資動向にも変化の兆しが見えてきた可能性も否定できない」とみている。

そのうえで消費増税に向けた特需の一巡や、韓国からの訪日観光客減少などが非製造業の設備投資にはマイナス材料であり、景気下支え役を果たせるかどうかに注目が集ま っていると指摘する。

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(中川泉 編集:青山敦子)