吉野彰氏にノーベル化学賞 リチウムイオン電池開発、旭化成
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注目のコメント
本当に嬉しいニュースです。たった今首相官邸にて環境イノベーションサミットのレセプションに出席してきました。安倍総理もご挨拶されましたが、リチウムイオン電池の父と言われる吉野氏のノーベル化学賞受賞のニュースはご存知なかったようです。環境問題に関するサステイナビリティを推進するのは、我々の責任。そのエコに関わる技術のみならず、その技術を使って世界のサステイナビリティをリードする役目を、日本の経済界がリードしたいものです。
受賞テーマについては4年前の日本科学未来館の予想ブログに大体書いてあるのでオススメです。3分の2的中しています。
2015年ノーベル化学賞を予想する① モバイル機器の原動力を開発した男たち
https://blog.miraikan.jst.go.jp/topics/201509152015.html
ウィッテンハム氏はリチウムの特性に注目した開発の先駆け、グッドイナフ氏はプラス極の素材開発(これには東芝の水島氏も貢献)、そして吉野氏はマイナス極に炭素素材を使用したことが受賞理由です。38年か。この技術により、ドローンが自在に空を飛び、電気自動車が月に5万台も売れ、誰もが携帯電話をポケットに入れて歩く世界が38年ごに実現した。当時、それを想像できただろうか。
昔、どこかのリンゴ会社の社長が言ったように、未来を予測して点を線でつ泣くことはできないんですね。できるのは、いつかそれが線で繋がると信じて、直感に従って点を打ち続けることだけです。
NP界隈で神の如く崇められているGAFAとかソフトバンクとかテスらとかは、大概技術開発のパイプラインの最下流を担う企業ですね。まあ結局、そこが一番わかりやすいからでしょう。彼らの仕事は、その上流にある何十年も前に行われた基礎研究の成果であることを、この機会に思い出してください。すでにあった無数の点を繋いだ結果です。最後の点を打ったのが彼らだというだけです。
そして投資家とカリスマ起業家さえいれば無からユニコーンさんが生まれてくるのではないことも、よく覚えていてください。何十年も先を見越した地味で地道な基礎研究があってこそです。種を蒔かずして花は咲きません。今の日本は、それができているでしょうか?どうも、NPでよく見る技術開発についての議論は、往往にして地に足がついていないように思います。