[ニューヨーク 8日 ロイター] - 米国株式市場は大幅安。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が追加利下げにオープンな姿勢を示唆したものの、米国政府が中国当局者に対しビザ規制を課したことが嫌気された。

パウエル議長は講演で、世界経済へのリスクを背景に追加利下げにオープンな姿勢を示唆したほか、短期金融市場の円滑化を確実にするため、保有資産を再び拡大させる考えを示した。

議長の発言後、株価は下げ幅を縮小した。だが、米国務省が中国の新疆ウイグル自治区のイスラム教徒への弾圧や虐待などを理由に中国政府や共産党の当局者に対するビザ発給を制限すると発表したことを受け、終盤にかけて下げ幅が拡大した。

前日には米商務省が中国の人工知能(AI)大手などを事実上の禁輸リストに追加したこともあり、今週ワシントンで行われる米中閣僚級通商協議を控えて緊張感が高まった。

サントラスト・アドバイザリー・サービシズの首席市場ストラテジスト、キース・ラーナー氏は「米中協議を前にネガティブなニュースが出たことから株価は下げていた。パウエル議長の姿勢が変わらない中、貿易面で悪化の兆候が強まれば市場が売りに動くのは理にかなっている」と話した。

ブルームバーグは8日、トランプ政権が中国への資本フローを制限する可能性を検討していると報じた。また、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは、今週の通商協議を前に中国側は期待を低くしていると伝えた。

この日は幅広いセクターで売りが出たが、金利に敏感なS&P500金融指数<.SPSY>が2%安、フィラデルフィア半導体指数<.SOX>が3.1%安と下げを主導した。

ベアードの投資ストラテジスト、ウィリー・デルウィシュ氏は「FRBのトーンは全体として、若干の懸念の高まりを示している」と指摘した。

CMEグループのフェドウォッチによると、市場ではFRBが今月25ベーシスポイント(bp)の利下げを行うとの見方が拡大している。

米労働省が8日発表した9月の卸売物価指数(PPI)が予想に反して前月比で低下したことを受け、利下げ観測が高まった。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を3.01対1の比率で上回った。ナスダックでも3.42対1で値下がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は67億4000万株。直近20営業日の平均は72億株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 26164.04 -313.98 -1.19 26276.59 26421.81 26139.80 <.DJI>

前営業日終値 26478.02

ナスダック総合 7823.78 -132.52 -1.67 7898.27 7921.88 7823.73 <.IXIC>

前営業日終値 7956.29

S&P総合500種 2893.06 -45.73 -1.56 2920.40 2925.47 2892.66 <.SPX>

前営業日終値 2938.79

ダウ輸送株20種 9829.20 -185.36 -1.85 <.DJT>

ダウ公共株15種 868.17 -8.05 -0.92 <.DJU>

フィラデルフィア半導体 1514.45 -48.72 -3.12 <.SOX>

VIX指数 20.28 +2.42 +13.55 <.VIX>

S&P一般消費財 922.52 -10.60 -1.14 <.SPLRCD>

S&P素材 345.75 -6.07 -1.72 <.SPLRCM>

S&P工業 624.51 -9.97 -1.57 <.SPLRCI>

S&P主要消費財 619.12 -5.80 -0.93 <.SPLRCS>

S&P金融 444.47 -9.18 -2.02 <.SPSY>

S&P不動産 242.16 -1.17 -0.48 <.SPLRCR>

S&Pエネルギー 412.37 -7.49 -1.78 <.SPNY>

S&Pヘルスケア 1019.95 -19.02 -1.83 <.SPXHC>

S&P通信サービス 164.85 -2.20 -1.31 <.SPLRCL>

S&P情報技術 1382.07 -25.56 -1.82 <.SPLRCT>

S&P公益事業 324.27 -3.32 -1.01 <.SPLRCU>

NYSE出来高 8.56億株 <.AD.N>

シカゴ日経先物12月限 ドル建て 21355 - 265 大阪比 <0#NK:>

シカゴ日経先物12月限 円建て 21335 - 285 大阪比 <0#NIY:>