なぜ東大生の3人に1人以上が男子校出身なのか
コメント
注目のコメント
男女共学が積極的に進められるようになるのは,戦後のGHQによる開放政策によるところが大きく,まだまだ7-80年の歴史しかありません.その中で,学校群制度の影響が現れる1970年代になるまでは,東大入学者の「シェア」としては都立高校をはじめとする共学校の占有率が高かったのですが,東大入学者の男女比率を見ると,大学進学において悪い意味での男女の「棲み分け」が社会的背景とともになされていたのは明白でしょう.その後,公立学校不信も相まって,戦後の共学化の波を免れた私立学校が東大入学者のシェアを高めます.その結果,男子校占有率の上昇という形で男女の「棲み分け」がより明瞭になっただけ,といえるでしょう.
例えば,次の記事(https://wezz-y.com/archives/48746
)に挙げられるように,こうした男子進学校の「ノリ」が性差別を助長するという批判があり,また「良妻賢母」を是としてきた女子校も女子の進学機会を制約する役割を果たしているとして批判にさらされています.別学関係者はこれを甘んじて受け入れないといけないと考えます.
別学が封建的な男女性差別を維持する装置としてきた一方で,別学が明日からなくせる状況ではないので,記事中にあるとおり個々の別学進学者を権利を短期的には守らなければなりません.また,たとえ「良妻賢母」を是としてきた女子校であれ,女子教育のこれまでの拡充に貢献してきた側面を評価しなければなりませんし,いま男子校や女子校の中で男女共同参画に向けた取り組みを行う教員も無視できません.さらに,家庭科が男女共修になったのも1990年代です.残念ながら男女共同参画に向けた取り組みはまだまだ過渡期ですので,既存の別学教育の範疇での取り組みにも期待せざるを得ないところがあると思います.