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系外惑星探査は、今回受賞のスイスチームとアメリカチームが激しく競いました。アメリカチームの中心人物はジェフ・マーシーとポール・バトラー。最初の系外惑星、ペガスス座51番星bの発見はスイスチームだったのですが、その後にマーシーとバトラーはスイスチームを上回る数の発見を立て続けにしました。系外惑星探査の第一黄金期は、まさにこの2チームの競争の賜物なのです。ちょうど、超新星の観測にによる宇宙の加速膨張の発見で2チームが競ったように。
2011年に、この宇宙の加速膨張の発見で、競った2チームの代表が並んでノーベル賞を受賞しました。
だから、今回も系外惑星探査で2チームが並んで受賞でもよかったのでは、となりますが…
実は、マーシーが学生へのセクハラで、教職にあったUCバークレーを辞めさせられていたのです…
だからマーシーのノーベル賞は消滅。バトラーは忸怩たる思いでしょう。もっともノーベル賞は一年に3人まで。この二人+バトラーでは、マーシーを外した理由があからさますぎます…というわけで、ノーベル賞をとってもおかしくない業績をあげていた宇宙論のピーブルズとの「抱き合わせ」での受賞になったのでしょう。
この系外惑星発見競争のドラマについては、以下の本が詳しいです:
Five Billion Years of Solitude : The Search for Life Among the Stars
邦訳:五〇億年の孤独
ついでに宣伝すると、この本、2週間前に出た宇宙メルマガThe Voyageの9月号で紹介した本です!
このテーマについては拙著5章でも、セクハラオヤジ・マーシーの成功と凋落にフォーカスする形で書きました。ネットに全文が上がっています:
https://koyamachuya.com/column/voyage2/95456/
そしてもう一人の受賞者、宇宙論のピーブルスについては、以下の本が詳しいです。こちらには2011年ノーベル賞の受賞者たちのドラマも描かれています:
Richard Panek, The 4% Universe
邦訳:4%の宇宙 宇宙の96%を支配する“見えない物質"と“見えないエネルギー"の正体に迫る
【概要】
https://www.nobelprize.org/prizes/physics/2019/summary/
1. James Peebles (Princeton U, USA)
“for theoretical discoveries in physical cosmology”
2. Michel Mayor and Didier Queloz (U Geneva, Switzerland)
“for the discovery of an exoplanet orbiting a solar-type star”
>追記
小野さんのコメントに出てきたUCバークレーの教授(元教授?)マーシーのセクハラ問題。東大の須藤教授のWeb論座の記事にも詳細が。結構大ごとだったようです。参考までに。
https://webronza.asahi.com/science/articles/2015101600012.html?fbclid=IwAR0qHx9dGhhnIj9ujVldmCYSgYaSYAYtRlI5gGx4-n_jL3OaIAJPQQNBztA
ピーブルズ氏の業績は多岐にわたります。その一つが、宇宙のあらゆる方向から一様にやってくる「宇宙背景放射」が「ビッグバンの名残」であることを理論的に裏付けたことです。また、ビッグバン直後のごくわずかな密度揺らぎが、宇宙の膨張とともに星や銀河、銀河団といった階層的な構造に発展していく過程を記述する理論を構築しました。
東京大カブリIPMUの村山斉教授がコメント(以下URL)しているように、まさに「現代宇宙論の基礎を築いた」一人と言えます。
https://mainichi.jp/articles/20191008/k00/00m/040/294000c
マイヨール氏とケロー氏は、1995年に太陽以外の恒星の周りを廻る惑星(系外惑星)を初めて観測。地球が宇宙の中で特別な星なのかどうかを探る研究ともいえる、系外惑星研究への道を開きました。
しかし、無理やり3人に受賞させた感は拭えない。
過去にも似たような例はありましたが、、、。
まあ、ここまでくると潔いというべきか。