【SNS新時代】フォロワー1万人より100人が「すごい」理由

2019/10/8
まるで預言者のように、新しい時代のムーブメントをいち早く紹介する連載「The Prophet」。
今回登場するのは、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の黎明期からその活用方法の分析・研究を行い、現在はソーシャルビッグデータの取得・分析・マーケティング支援を行う企業、ホットリンクで執行役員CMOを務める飯髙悠太氏だ。
飯髙氏が上梓(じょうし)した著書『僕らはSNSでモノを買う』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)では、SNS全盛時代におけるユーザー行動について分析し、どのような情報発信をすれば購買につながっていくかが、データと事例を交えて解説されている。
まさに本の狙い通りか、SNSを中心に反響を呼び、8月29日に発売以降、すでに4刷のヒットとなっている。
SNSによって価値が再発見されるモノもあれば、安易なマーケティング手法で「炎上」してしまうモノも少なくないこの時代。その明暗を分けるポイントはどこなのか。
SNSマーケティングの新法則について、飯髙氏による解説を全3回にわたって紹介していく。
飯髙悠太(いいたか・ゆうた)1986年生まれ。ホットリンク執行役員CMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)。さまざまな企業でWebマーケティングやSNSにおける消費者の行動分析に従事し、日本のフェイスブック利用者の4分の1が利用していたフェイスブックアプリ「Hivelo Social Apps」マネージャー、37万5000人の会員がいるWebマーケティングメディア「ferret」創刊編集長などを経て現職。

全ての消費行動はSNSに通ず

──本著を執筆しようと考えたきっかけはなんだったのでしょうか。
飯髙 私が所属しているホットリンクという会社は、国内外のSNSに関するビッグデータを保有していますが、今の会社に入る前から、「SNSの使われ方って変化してきてるよね」というところを、一度まとめてみたいと考えていました。
以前、「ferret」というWebマーケター向けのネットメディアの創刊編集長を務めていました。その4年間で、約37万5000人が会員になって読んでくれていたんですね。
それだけの人々が、自社のWebマーケティングやコンテンツマーケティングをどうすればいいか悩んでいると体感でわかっていましたし、さらにWebという大きな枠からSNSへと広告や消費行動が移っている。
これは今、出すしかないと思い、書籍出版は決まっていたのですが、当初決まっていた方向性を変えて、書きました。
──「SNSでモノを買う」というタイトルに、どのような意味を込めたのですか。
厳密に言うと、「SNSでモノを買う」というより、「消費行動において、現代ではSNSを経由しないことはもうあり得ないですよね」という意味です。
本の中では、私を含めた3人の会話形式で内容が進んでいきます。