[ワシントン 5日 ロイター] - トランプ米大統領は5日、野党・民主党のバイデン前副大統領を調査するよう中国に呼び掛けた自身の行為を批判した共和党有力議員を「ろくでなし」と呼び、民主党が進める弾劾調査への怒りの矛先を身内の議員にぶつけた。

トランプ氏は自身に対する弾劾調査を巡り民主党議員やメディアに厳しい非難の言葉を浴びせてきた。トランプ氏が来年の大統領選再選を狙って権限を乱用し、民主党の最有力候補と目されるバイデン氏を調査するようウクライナ政府に圧力を掛けた疑惑を受け、議会下院では弾劾調査が行われている。

トランプ氏は3日、中国に対してバイデン氏とその息子の調査を呼び掛けた。これについて2012年大統領選の共和党候補だったロムニー上院議員(ユタ州選出)は「誤りでとんでもない行為」と批判。

これを受けてトランプ氏は、ロムニー氏が「横柄な『ろくでなし』で最初から私に歯向かっていた」とツイッターに書き込んだ。

その後のツイートで、ユタ州の人々は2018年にロムニー氏を上院に選出したことを後悔していると聞いているとし、「私も同じ考えだ!彼は愚か者で、役立たずの民主党の思うつぼだ!」と述べ、「ミット・ロムニー弾劾」のハッシュタグを付けた。

トランプ氏はまた、弾劾調査の発端となった7月25日のウクライナのゼレンスキー大統領との電話会談は「適切」だったとあらためて主張。中国にバイデン氏とその息子を調査するよう呼び掛けたのは政治ではなく腐敗に関係していると強調した。

共和党のスーザン・コリンズ議員(メーン州選出)もまた、トランプ氏の中国に対する調査への呼び掛けは「完全に不適切」だと批判した。メーン州の地元メディア、バンガー・デイリー・ニュースが伝えた。「政敵の調査に中国が関与するよう求めることで、大統領は大きな過ちを犯した」と語った。