FB違法投稿の削除命令、世界各国に適用可能 EU最高裁が判断
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欧州司法裁判所の判決ステートメントです。
https://curia.europa.eu/jcms/upload/docs/application/pdf/2019-10/cp190128en.pdf
タイトルにもあるように、判決内容は、違法と判断された投稿内容をホスティングサービスから削除する命令をEU加盟国な裁判所が命じることを「排除しない」というものです。したがって、削除の判断は個別の係争案件ごとに判断されることになるでしょう。これをもって「EUは全世界の情報をコントロールできるようになる」という主張をするのは、やや飛躍的ではないかと感じます。
興味深いのは、この判決に先立って出された「忘れられる権利」行使の地理的範囲はEU域内に限定される(EU域外での検索結果を参照不能にすることを強制できない)とする欧州司法裁判所判決との関係です。データ主体の権利行使は必ずしも不法行為に立脚したものではない(データ主体の求めに応じる形だから)のに対し、本判決の削除対象となる投稿は、EU加盟国の裁判所において違法認定されているという違いがあるのではないかと推測します。
追記
個人的には、なぜ本訴訟がEUのeコマース指令を適用法として提起されたかに関心があります。これを読むと誰でも中国の悪用をイメージしますよね。自国に不利な情報の削除ができるようになったら最悪だと。まぁFacebookは中国では裏技を使わない限り利用できませんが。
ただ人を傷つける目的で書かれたフェイク情報の削除が国を超えてもできるようになるのはいいことです。そのあたりのうまい仕組みができないものでしょうか。適用可能であることを「排除しない」がどういう解釈になるのかによらず、早めにFacebookが反対を表明しているのは正しい。