[マドリード 3日 ロイター] - 米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は3日、米経済見通しは「極めて良好」だが、金融政策のわずかな調整は潜在的なショックを相殺するのに十分ではないとし、必要なら追加利下げを実施する可能性を示唆した。

連邦準備理事会(FRB)は9月17─18日のFOMCで、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を1.75─2.00%に25ベーシスポイント(bp)引き下げることを7対3で決定。7月に続き今年2回目の利下げを実施した。

エバンス総裁はマドリードでの会合で「世界経済や米経済を震撼させる出来事があれば、(金融政策の)わずかな調整は到底十分なものになりえず、今後18カ月で約2%の(米国の)経済成長率を目指す上で、(小幅な調整は)状況改善を支援するリスクマネジメントに過ぎない」と指摘。「米経済は基調を上回る成長が続いており、米経済見通しは極めて良好で、ファンダメンタルズは依然堅調」とした一方、通商面での緊張が下押しリスクをもたらし、企業の投資決定が先送りされる可能性があると語った。

またFRBが実施した直近の2回の利下げは適切だったとの考えを示し、必要に応じて一段の調整を行う用意があると表明。記者団に対し「次回のFOMCでは何が適切になるのか討議される。調整を行うことが適切なら、これにまったく異存はない」とし、米経済成長に対する下押しリスクの一つとして、最近の米製造業の落ち込みを挙げた。

エバンズ総裁はこのほか、FRBは経済に対して適切な政策に焦点を当てるとし「誰が何と言おうと関係がない」と言明。「われわれが直面している問題への対処において、パウエル氏はFRB議長として非常に良い仕事をした」とし、FRBは十分な独立性を確保しているとの考えを示した上で、「批判も受けるが、われわれは(雇用と物価を巡る)責務の達成に注力する」と述べた。

トランプ米大統領は1日、米政策金利は「高過ぎ」、強いドルで米製造業は打撃を受けているとし、FRBの政策を改めて批判した。

*内容を追加しました。