【新】デジタル時代の勝者になるための「DX戦略」とは

2019/10/4
まるで預言者のように、新しい時代のムーブメントをいち早く紹介する連載「The Prophet」。今回登場するのは、経営幹部教育で世界的名声を誇るスイスのビジネススクールIMDで教鞭を執るマイケル・ウェイド教授だ。
あらゆる業界に「デジタル・ディスラプター(破壊的イノベーター)」が登場し、競争基板を破壊している現在。なんらかの「変革」が自社にも必要だと考えている企業は多いだろう。
デジタル時代に対応した組織変革、すなわち「デジタルビジネス・トランスフォーメーション(DX)」のためのアプローチを具体的に論じたのが、ウェイド氏の新刊『DX実行戦略』(日本経済新聞出版社)だ。
しかし同書の中で、ウェイド氏は「世界を見渡しても、ほとんどの企業でDXはうまくいっていない」と指摘する。それは一体なぜなのか。変革に成功する企業と、失敗する企業の明暗を分けるものとは何なのか……?
今回の「The Prophet」では、全3回にわたり、DXの第一人者であるウェイド氏直伝の「変革のセオリー」を紹介していく。
マイケル・ウェイド
IMD教授(戦略とイノベーション)。IMDが米シスコ社と共同で立ち上げた、DXに関する研究所、「Global Center for Digital Business Transformation(通称DBTセンター)」所長。DXに関する経営幹部向け研修プログラム「リーディング・デジタルビジネス・トランスフォーメーション(LDBT)」の統括教授。また、クレディ・スイスやボーダフォン、マースク、ガスプロム、PSAプジョーシトロエン、カルティエなどにカスタマイズした独自プログラムを、IBMやLVMH、ネスレ、グーグル、ノバルティスなどにコンサルティングや経営幹部教育を提供。日本の代表的企業約30社を会員とする「デジタルビジネス・イノベーションセンター(DBIC)」との連携で、2016年から毎年来日、DXに関する経営幹部研修や経営者との対話を重ねている。カナダのウェスタンオンタリオ大学リチャードアイビー・スクール・オブ・ビジネスで学位、MBA、博士号を取得。スイス在住。著書に『対デジタル・ディスラプター戦略』『DX実行戦略』(ともに日本経済新聞出版社)など。

「DX」と「デジタル化」は別物