[セントルイス 2日 ロイター] - 米フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁は2日、米連邦準備理事会(FRB)などの中央銀行がデジタル通貨の発行に着手することは「避けられない」と述べた。一方で、米国はそのような動きを主導すべきではないと警告した。

ハーカー総裁は当地で開催されたコミュニティーバンク(比較的小規模な地域金融機関)の会合で、FRBが決定した即時資金決済サービス「FedNow」の独自開発に関する質問に、ドルの世界的な準備通貨としての役割と新技術を試す必要性を示した上で「率直に言って、米国はこのようなことを行う最初の国であるべきではないと思う」と指摘。ただ「それは避けられない」と語った。

また、FedNowは開発中であるとし、「開発後の5年間を見据えると、次はデジタル通貨に関連したものが到来するだろう」と述べた。

ハーカー総裁は自身の見解が現時点でFRB内の「少数派」であるとした上で、フィラデルフィア地区連銀では同件に関する調査を開始しており、来年早々にも研究者向けの小規模な会合開催を予定しているとした。