哲学と呼応する人工知能の世界カント哲学の専門家が語るテクノロジーとの向き合い方
JBpress(日本ビジネスプレス)
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注目のコメント
このテーマは個人的にはフォロー出来ていると思っていたけれど、黒崎先生は見つけられていなかった・・・。
ルールベースとニューラルネットを、論理主義と経験主義に対比するというのは、なるほど思いつつも、社会や思想の変化は振り子運動だとしても、技術の進化は後戻りできるものでもないので、後付けという気はする。
しかし、個人や人格、責任や因果関係といった、これまで「常識」とされたものが、技術進歩によって揺らいでいるということは事実としてあるだろう。
そのこと自体が、この時代における「哲学」といえるが、その時に過去の哲学がどれだけの意味を持つことになるのか。論理主義派(明示的プログラミング)と機械学習派(ニューラルネットワーク)を、『合理主義VS経験主義』と対比するのが、白黒つけたい論理的思考というか、記事向けのキャッチ―な表現な気がしますね。
あと下記の点、
「人工知能の<知能>は、因果性を使わないような一つの思考法であり、人間の<知能>とは別種の知能だ、とみなすべきです」とのことですが、
例えば、数学は量的な相関関係を明らかにする思考法だと言えるので、因果性(論理的思考)という観点のみで「人間の<知能>と別種」だというのは言い過ぎかと。
「これが正解という答えはありませんが、過去の哲学者がどのように考えたのか思考のパターンを知っておくだけでも問題の捉え方は異なります」という点は、文学部で学んだ人なら同意すると思います。
哲学(文学)は、「思考パターン史」みたいなところがあるので、歴史を学ぶのと同様、現状や動向を俯瞰するのに役立つことも多いでしょう。