[ワシントン 1日 ロイター] - 米交流サイト大手フェイスブック<FB.O>のマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が7月、従業員に対し、民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員が大統領に当選した場合、議員が推進するフェイスブックの解体計画を阻止するため「全力で戦う」と発言していたことが、社内会議の音声記録により明らかとなった。

この音声記録は米ハイテク系メディア「バージ」が公開。それによると、ザッカーバーグ氏は「ウォーレン氏が当選すれば当社は間違いなく法的な課題に直面するが、確実に勝利すると確信している。それでもこの問題が当社にとって最悪かと問われれば、それは最悪だ。なぜなら私は自分の国の政府を相手に大規模な訴訟などしたくないからだ」と語った。

また大手ハイテク企業を分割すれば「各企業が一体となった取り組みが不可能となるため、選挙妨害活動は一層起こり得るだろう」と警告した。

ウォーレン氏はすぐさまツイッターで「本当に最悪なのは、フェイスブックのような巨大企業による不正な反競争的慣行を許し、個人のプライバシー権の侵害を招くような腐敗した制度を放置することではないか」と反論した。

また、フェイスブックが近年、ワッツアップやインスタグラム買収を通じて市場支配力を一段と強めてきたとし、「ソーシャルネットワークに絡むトラフィックの85%以上はフェイスブックが保有または運営するサイトを通る」と指摘。「同社は強い力を持ち、ほとんど競争にさらされず、説明責任もほぼ問われない」とした。

さらに「同社は競争を排除し、ユーザーの個人情報を利益のために利用し、民主主義を弱体化させた」などと批判した。

ザッカーバーグ氏はその後、フェイスブックのサイトで声明を発表し、発言は社内向けだったと釈明した上で、音声記録へのリンクを添付し、「記録の生データもあるので、興味があれば試してほしい」とした。

フェイスブックなどハイテク大手を巡っては、他の民主党大統領選候補者も批判的な見方を示しており、サンダース上院議員はフェイスブック、アルファベット<GOOGL.O>傘下のグーグル、アマゾン・ドット・コム<AMZN.O>の解体を検討する考えを示している。ハリス上院議員も解体を「真剣に」検討する必要があるとしている。

*内容を追加します。