[香港 30日 ロイター] - リフィニティブ・データストリームによると、香港の香港ドル建て預金は8月に前月比1.6%減少した。

これは2018年5月以降で最大の減少。一方、米ドル建て預金は2.7%増と、2018年12月以来の大幅な増加を記録した。

香港では反政府抗議デモや米中貿易戦争が、経済や金融市場を圧迫する要因となっている。

ただ香港金融管理局(HKMA)は、香港ドル建て預金の減少について「資金調達活動が7月ほど盛んではなかった」とした上で、金利動向など「様々な要因」が預金の構成に影響を及ぼし得るとの見方を示した。

HKMAは「したがって月間ベースの預金の変動は通常のものだ」との声明を発表した。

OCBCウィンハン銀行のエコノミスト、カーリー・リ氏は、8月の抗議活動激化で資本流出懸念が浮上し、香港ドル建て預金から米ドル建て預金に資金が移動した可能性はあるが、9月の市場は落ち着いていたため、資金の流れが反転することも考えられると指摘。

「全体として大きな変動ではない。単月のデータを深読みしすぎるべきではない」と述べた。