【Podcast】「わかりあえない」を認めれば、組織は上手く回りだす
第9回のゲストは、今月4日にNewsPicksが新たに立ち上げるレーベル「NewsPicksパブリッシング」より書籍を刊行予定の埼玉大学大学院准教授・宇田川元一氏。パーソナリティはNewsPicksアカデミア編集長・野村高文と記者・岡ゆづはでお送りします。
本記事では番組の一部を書き起こし、ダイジェスト化しました。音声と合わせてお楽しみください。
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私の初めての著書『他者と働くーー「わかりあえなさ」から始める組織論』が、NewsPicksパブリッシングから出版されます。
それに合わせて、ポッドキャストの"Future Talk"でお話をしました。
この本は、適応課題と呼ばれる、組織の中の複雑で厄介な問題を対話によって乗り越えていくことをテーマにしています。
適応課題の典型的な例は、正論のはずなのに通じない、というような場合です。こちらは正しいと思っているのに、なぜか、上司や同僚や部下が納得してくれなかったり、そのとおりに動いてくれなかったりするといった場合、実は、自分にとっての正論は、相手にとっては必ずしも正論ではない、という状態にあると言えます。
しかし、そうした時に、どこかに良い方法はないかと既存のノウハウを探し続けるということは、私も含めついやってしまう、よくあることではないかと思います。社内でイノベーションの推進をしようとするとき、部下を育成しようとするとき、上司にいろいろな提案をするとき、他の部署に協力を求めるとき、あらゆる場面に、適応課題は潜んでいます。
でも既存のノウハウではうまく行かないことも私たちはどこかでわかっていす。
ある意味でこれは「依存症」に近い状態であると言えます。
正論が通じないのは、お互いのナラティヴ(解釈の枠組み)が異なるからであり、わかりあえていないことがわかっていないことが、適応課題を生み出していきます。これを「ナラティヴの溝」とこの本では呼んでいます。
そして、このナラティヴの溝が適応課題を生み出しているので、ここに橋を架けていくことが、適応課題を乗り越えるために必要なことなのです。
ではそれはどのようにしたら可能なのか、その鍵は対話である、と述べました。
この本で言う対話とは、一般的な意味でのワークショップセッションなどとはまた異なる相手のナラティヴをよく観察して、関係性に働きかける取り組みのことです。
現代の企業社会の依存症的な側面や、ナラティヴの溝に橋を架ける対話を通じて適応課題を乗り越えていくという考え方について、ポッドキャストをお聴きいただいて、一緒に考えてみていただければ嬉しいです。
また、よろしければ、本もお手にとっていただければと思います。
「なんであの人はわかってくれないんだろう、なんで察してくれないんだろう」ありました、私も過去にそう思うことが。ただ、今はもうほとんどなくなりました。相手と対話しない限り相手の考えは分からず、自分だけで思いをめぐらしても意味がないと判断したからです。
記事には、他者と対話するための4つのアプローチ(準備、観察、解釈、介入)が書かれてます。方法として分かりやすい。ただ、このアプローチを行うには、ある程度のエネルギーと工数がかかりそうです。特にメンタル、結構消費するのではと。私ならそれを実行するに値する議論なのかどうかをまず先に考え、必要とあれば遂行しますね。
健全なチームや組織を作るためには、まずは「互いにわかりあえない」ことを認めるところからーー。宇田川先生のアドバイスは、実践的で、かつ人間への情に溢れていました。
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