[29日 ロイター] - 米航空機大手ボーイング<BA.N>の旅客機737MAXの飛行制御システム(MCAS)に、軍用の空中給油ジェット機に搭載された旧型MCASと同じ安全装置が取り付けられていなかったことが分かった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が29日、事情に詳しい人々の話として伝えた。

10年以上前に軍用空中給油ジェット機向けに設計された旧型MCASは、多重なセンサーのデータに頼り、機首を動かす力にも限界があった。設計に詳しい1人によると、このような設計をした理由は、システムの誤作動やそれに伴いパイロットが操縦不能に陥る事態を避けるためだったという。

これに対し、737MAXに搭載されたMCASは、機首の角度を計測する2つのセンサーのうち1つだけのデータに基づいて作動するようになっていた。

737MAXのソフトウエア改修では、軍用機に搭載したバージョンに近付けるとみられる。

取材に対しボーイングのコメントは得られていない。